オズのハンク
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第十幕その十
「どうしてかな」
「どうも当時のエジプトの人達の感覚でね」
「それでなんだ」
「こうした姿になったみたいだよ」
「そうだったんだ」
「とはいっても苦労はしていないよ」
「手とかがなくてもだね」
ハンクハメジェド神のその外見を見つつ言いました。
「それでもだね」
「全くね、手がなくても神通力でものを持って動かせるし」
こうした力があるからだというのです。
「神様の力で聞こえて嗅げて喋ることも出来るから」
「だからなんだ」
「全く困っていないよ」
手とかがなくてもというのだ。
「僕はね」
「そうなんだね」
「食べる必要も寝る必要もないし」
「そこはかかしさんや樵さんと一緒だね」
「そうした身体の構造だからね」
だからというのです。
「特にね」
「困ることもだね」
「なくてね」
それでというのです。
「僕は何不自由なくピラミッドの中で過ごしているよ」
「それでピラミッドの中をいつも動き回っているんだ」
「時々ワープしたり壁を抜けたり姿を消したりね」
そうしたこともしてというのです。
「楽しく過ごしているよ」
「そういえば貴方は見えないとも言われていますが」
ここでカエルマンがメジェド神に尋ねました。
「あと何かを食べるとも」
「見えないのは姿を消せるからでね」
メジェド神はカエルマンにも答えました。
「食べる必要はなくてもね」
「食べることは出来るのですね」
「そうなんだ、お口はないけれど」
見れば確かにないです、目だけが目立っています。
「食べることが出来て味わうこともね」
「出来るのですね」
「そうなんだ、内臓が好きだよ」
「レバーとかホルモンとか」
内臓と聞いてカルロスは言いました。
「そういうものがですね」
「実際に好きだよ」
「そうなんですね」
「僕は根」
「それは何よりですね」
「だからね」
それでというのです。
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