ヘタリア大帝国
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TURN37 マレー解放その二
「しいな。さもないとこっちまで危ういからな」
「君達もかい?」
「当たり前だろ。戦線の綻びはそのまま戦局全体に影響するからね」
だからだとだ。キャシーはきつい顔でネクソンに言う。
「本当に靴紐には注意してくれよ」
「全く、キャシーは心配性だな」
「心配性も何も実際のことだろ」
キャシーは真剣な顔でネクソンに言っていく。
「本当に頼むよ」
「じゃあ靴紐のない靴を履くか」
「そうしてくれ。冗談じゃなくてな」
「そうだよね。私もその方がいいと思うよ」
ララーもだ。キャシーと一緒になって話す。
「今度の戦いは最初の正念場だからね」
「それで作戦ですが」
参謀の秋山が提督達に話す。
「マレーに侵攻して最初にエイリス軍を攻撃します」
「その際だ」
東郷も言う。
「植民地艦隊は狙わない。狙うのはあくまでだ」
「エイリス艦隊だけです」
彼等だけだというのだ。
「植民地軍には解放すると宣言してだ」
「あえて攻撃をしません」
「事前にこれを言う」
そうするというのだ。
「それを行ってからだ」
「攻撃に入ります」
「若しもだけれど」
ランファはここまで聞いてから東郷に問うた。
「植民地艦隊がそれでも攻撃してきたらどうするの?」
「ははは、それはないさ」
確信している笑みでだ。東郷は答えた。
「絶対にな」
「本当にないの?」
「明石大佐から連絡があった。既に植民地艦隊及びレジスタンスからは中立の約束を取り付けている」
そうしているというのだ。
「だから何の問題もない」
「事前にそうした話をしてたの」
「そういうことだ」
「ああ、つまり政治なのね」
そういうことだとだ。ランファもわかった。
「それでなの」
「ああ。だから狙うのはな」
「エイリス艦隊だけなのね」
「彼等だけを攻撃して倒す」
また言う東郷だった。
「それでは行くとしよう」
「了解したわ」
ランファは微笑んで答えた。
「それじゃあ行きましょう」
「ただな」
「ただ?」
「急ぐ必要はある」
長期戦は避けたいというのだ。
「それはな」
「さもないと本国から来るっていうのね」
「既にエイリス艦隊はインドの各星域を通過した」
このこともだ。東郷は述べた。
「間も無くベトナムに入るだろう」
「若しマレー攻略に手惑い彼等がマレーに入れば」
どうなるかとだ。リンファも言う。
「勝ち目はなくなる」
「我々の戦力はそれ程多くはない」
こうもだ。東郷は言った。
「長期戦になればだ」
「敵の援軍が来れば」
「倒される。だからだ」
それでだというのだ。
「短期戦で終わらせる。いいな」
「了解」
リンファはランファと違い真面目な様子で返答を述べた。敬礼も真面目な感じで行っている。この辺りに性格が出ている。
こう話してだ。そのうえでだった。
日本軍はマレーに入った。その艦隊の状況を見てだ。インドネシアは首を少し捻ってこうニュージーランドに囁いた。
「何か凄いね」
「日本軍の艦隊ばい?」
「うん、艦艇よりもね」
普通の艦艇よりもだというのだ。
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