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オズのハンク

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第十幕その六

「待っていたぞ」
「私達が来ることは」
「わかっていた」
 こうトロットに答えます。
「既に」
「そうだったの」
「私は主神だからな」
「ピラミッドの中はなのね」
「全て把握していて」
 それでというのだ。
「君達のこともだ」
「わかっていたのね」
「そして君達が探している神のこともな」
「メジェド神のこともなのね」
「わかっているしだ」
 それにというのです。
「彼を探している理由もな」
「それもなのね」
「会いたいということもな」
 このこともというのです。
「わかっていてだ」
「それで、なのね」
「そうだ、既にテレパシーを送ってだ」
 そうしてというのです。
「この祭壇に呼んでいる」
「それじゃあ今から」
「ここに来る」
 そうなるというのです。
「だから君達の望みはだ」
「適うのね」
「そうだ」
 それでというのだ。
「これでいいだろうか」
「有り難う、じゃあここで待っていたら」
「うむ、彼は来る」
 メジェド神はというのです。
「待っていてくれ」
「わかったわ」
 トロットはラー神の言葉に笑顔で頷いて答えました、そうして皆でメジェド神が来るのを待つことにしました。
 その間皆でラー神とお話をしますがここで、です。
 ボタンはラー神にこんなことを言いました。
「ラー神はホルス神と似てるね」
「その姿がだな」
「うん、同じ鳥の頭だからね」
「それは当然と言えば当然だな」
 ラー神はボタンのその言葉に頷いてこう言いました。
「何しろエジプトではホルスは私の後を継いでいるからな」
「それで太陽の神様になってるからだね」
「だからだ、同じ太陽神だからだ」
 それ故にというのです。
「我々の外見はだ」
「似ているんだね」
「そういうことだよ」
「お身体がお年寄りのものだから」
 それでと言ったのはポリクロームでした。
「それでわかるけれど」
「うむ、区別はつくな」
「ホルス神は若々しいお身体をしていたから」
「そこで見分けてもらう、だが声が」
 ラー神は自分のそちらのお話もしました。
「違うな」
「ええ、だからお話をすればね」
「よくわかるな」
「そうなるわ」
「そうだな、だからだ」 
 それでというのです。
「そうしたところで見分けてもらう」
「それではね」
「それに同じ鳥の頭でも」
 カエルマンは学者さんの様に言いました。
「種類が違うからそこでもね」
「違うとわかるな」
「はい、まことに」
 カエルマンはラー神に敬意を払って答えました。
「わかりますよ」
「見分けてもらえれば何より」
「それでなのですが」
 今度はクッキーが言ってきました。 
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