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オズのハンク

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第十幕その四

「心残りですが」
「だからだね」
 ハンクがここで言いました。
「今から」
「ラー神の祭壇に行って」
「ラー神にお願いして」
 そうしてというのです。
「メジェド神を呼んでもらおう」
「そうしてもらいますね」
「ここはね、しかし」
「しかし?」
「いや、メジェド神は本当に神出鬼没で」
 それでというのです。
「会うのは運次第なんだね」
「このピラミッドの中では」
「うん、そう言われていたけれど」
「実際にですね」
「そうなんだね、だからね」
「私達もですね」
「今まで会えなかったんだね」
 そうなったというのです。
「これまで」
「そうですね」
「そんなこともあるわ、けれど最後は願いが叶うのがオズの国だから」
 トロットが皆に笑顔でお話しました。
「だからね」
「残念に思うことはないですか」
「そうなんだね」
「そう思うわ、だってこれから会えるのよ」 
 ラー神にお願いしてというのです。
「それだったらね」
「特にですね」
「どうも思うことはないんだね」
「そうじゃないの?まあとにかくこれからね」
 トロットはハンク達にあらためて言いました。
「ラー神の祭壇に行きましょう」
「古代エジプトの主神で太陽の神様」
 ここで言ったのはカエルマンでした。
「尊い存在だね」
「神々の中でも」
「そうだよね」
「中南米のインティや日本の天照大神ですね」
 カルロスはこうした神々の名前を出しました。
「要するに」
「そうよね、ギリシア神話だとヘリオスや」
 トロットはカルロスにも応えました。
「アポロンになるわね」
「どちらも太陽の神様でしたね」
「ギリシアの太陽の神様って二柱いる感じがするけれど」
「何か途中で代替わりしたみたいですね」
「そうなのね」
「だからヘリオス神も太陽神で」
 そしてというのです。
「アポロン神も」
「太陽神なのね」
「そうみたいですよ」
「そうなのね」
「それでオズの国にはですね」
「ギリシアの神々もいて」
 そしてというのです。
「ヘリオス神もアポロン神もね」
「いるんですね」
「そうなの」
「本当に色々な神様がいるんですね」
「そしてオズの国を守ってくれているの」
「それで一番数が多いのは何処の神様なの?」
 ボタンはトロットにこのことを尋ねました。
「一体」
「日本よ」
「日本なんだ」
「あの国の神様が物凄く多いの」
「そんなに多いんだ」
「八百万って言われる位にね」
「神様が八百万もいるんだ」
 ボタンはその数に驚きました。 
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