曇天に哭く修羅
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第二部
来たる
前書き
_〆(。。)
刺客と《クリス・ネバーエンド》が対峙。
同時に【魔晄外装】を顕現。
クリスは巨大な鉄腕を浮かべた。
刺客は二体の人形。
王冠と赤いマントが特徴の石像に盾を構えた石像が並びクリスの方を向いている。
「同じ『特質型』でも格が違うわ!」
例に漏れずクリスは弾丸と弾頭の雨。
対する刺客は人形を動かして弾を迎撃しながら自分も回避を行っていく。
クリスはこれに驚いた。
人形の外装で防ぐのは解る。
しかし自力で躱すのは不可解。
(彼奴は特質型なんだけどベースは『独立型』だと思うのよね。なら身体能力は一般人と変わらない。なのにこの弾数で反応できるなんて)
《立華紫闇》や《黒鋼 焔》のように【魔晄】だけで超人的な身体能力を発揮できるような魔術師なら話は別だが。
彼女がそう考えた直後。
「───ッ!!」
後ろから殺気。
伏せながら横に跳ぶ。
自分の頭が有った所を何かが通る。
振り返れば人形。
僧侶のような石像だ。
(3体目!?)
刺客はクリスが正面から受けて立つと読んで裏を掻き、予め配置していたのだろう。
クリスの攻撃が中断すると盾の石像は刺客を守り、王冠の石像と僧侶の石像はクリスを挟み撃ちして剣とメイスを振るい打ちのめす。
姉の《エリザ・ネバーエンド》から刻まれたトラウマでクリスは動きが悪い。
気付けば口から悲鳴を挙げて泣きながら逃げていたが転んでしまう。
二体の人形が近付く。
「助、けて……!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
命乞いは通じない。
メイスと剣が振り上げられる。
「させるかよおッッ!!」
声と共に二体の人形が消えた。
立華紫闇が到着する。
(間に合ったか)
紫闇は一旦クリスに目をやった後、黒一色の姿をした刺客のことを睨む。
「ぶっ潰してやる……!」
彼は拳を握り締め構えた。
右手は顎の先で左手は脱力し垂らす。
刺客は消した二体を再び召喚。
王冠の石像が突っ込み剣を振り下ろす。
紫闇は鼻で笑った。
《江神春斗》の斬撃と比べれば眠くなるような速さでしかないのだから。
(躱してカウンターだな)
そう判断した紫闇の傍を僧侶の石像がメイスを構えて駆け抜けていく。
先には怯えて座り込み動けなくなってしまっていたクリスの姿が有った。
「てめっ!?」
紫闇は【音隼】で魔晄の翼を生やす。
王冠の人形を放置して跳ぶ。
紫闇は僧侶の人形に急接近。
途端に僧侶も急停止。
クリスから向きを変え反転。
近付く紫闇の土手っ腹に勢いを付けたメイスの一撃をカウンターで叩き込む。
そして紫闇は後頭部にも衝撃。
王冠の人形が剣を振り下ろしたらしい。
(彼奴の仕業か)
紫闇が見たのは人形を出した刺客。
奴が途中で人形を操った。
紫闇の思考を察するように。
(読まれているなら仕方ない)
《橘花 翔》との戦いで出した『あれ』を使いたいが焔に厳命されている。
『あの時間を圧縮する【魔術師】の【異能】でも【超能力】でもない力は【珀刹怖凍/びゃくせつふとう】とでも呼ぼうか』
焔いわく、あれは将来的には兎も角として、今の紫闇の限界を遥かに超えた力。
それを何らかの方法で無理やり引き摺り出しているような気がするという。
『今は極力使わないでほしい。下手をすれば紫闇が死んでしまいそうだからね』
後書き
やっと紫闇の一つ目の能力の名前を出せた。
原作だと2巻のキャラクタープロフィールまでずうっと名前が出ませんからね。
_〆(。。)
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