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戦国異伝供書

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第八十一話 朝倉合戦その十一

「手に入れたい」
「ですか、鉄砲ですか」
「兄上はそちらのこともお考えですか」
「手に入れて使われることも」
「そうなのですか」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「これからな、後槍じゃが」
「槍ですか」
「こちらもですか」
「うむ、それをじゃ」
 まさにというのだ。
「今より長くするか」
「槍を長くですか」
「そうされますか」
「当家の槍を」
「その様に」
「うむ、やはりこれも織田殿からである」
 信長、彼を見てのことだというのだ。
「織田家の槍は相当長いという」
「といいますと」
「一体どれだけですか」
「その槍は」
「どれだけの長さですか」
「何でも三間だという」
 そこまでの長さだというのだ。
「それだけの長さという」
「三間ですか」
「それはまた長いですな」
「三間の槍なぞ聞いたこともありませぬ」
「途方もない長さですな」
「そうであろう、先に話した鉄砲と合わせてな」
 それと共にというのだ。
「戦に勝っていっているそうじゃからな」
「だからですか」
「これからはですか」
「当家もですか」
「槍を長くですか」
「していくことだ、そしてだ」
 それにというのだ。
「戦の場で使いな」
「勝っていきますか」
「そうされますか」
「この度は」
「そうされますか」
「是非な、そうしていく」
 こう言ってだ、それでだった。
 元親は朝倉城を手に入れた後でも戦のさらに手を進めていった、そしてそのうえで次の戦に進むのだった。


第八十一話   完


                   2020・1・8 
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