新しい子供達
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第二章
だが雛子は母犬であるベラを見て美奈に話した。
「どうもね」
「あの娘はですね」
「寂しそうね」
「そうですね」
「自分の子供達と離れるから」
だからだというのだ。
「どうしてもね」
「悲しく思っていますね」
「ええ、けれどね」
「それでもですよね」
「このことは仕方ないわ、それにね」
雛子はさらに話した。
「あの娘だって」
「里親探していますし」
「だからね」
それでというのだ。
「このことはね」
「あの娘にもわかってもらうしかないですね」
「ええ、子供達も皆面倒見られるお家はそうはないわ」
「だからですね」
「子供達ももらわれていったし」
一匹一匹だ、心ある人達にそうしてもらった。
「それでね」
「この娘もそうしてもらって」
「幸せになってもらいましょう」
「いい人達に拾ってもらって」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「そうなってもらいましょう」
「この娘を貰ってくれる人も見付かるといいですね」
「本当にね」
こうしたことを話していた、すると。
やがて七匹の子供全てがもらわれていって彼女もだった、里親に貰われたが里親の国会議員の三原潤は言った。黒のショートヘヤの妙齢の美女である。
「この娘確か」
「知ってますか、この娘のこと」
「今はベラちゃんっていうんですが」
「民主立憲党だった服山さんが飼っていた娘ですよ」
「えっ、あの北朝鮮の工作員にお金渡してた」
「あの人ですか」
服山と聞いてだ、二人はすぐに彼の悪い話を思い出した。
「与党だった時に公金を横領して」
「それにパワハラにセクハラもしていて」
「怪しい組合から献金を受けていて」
「それで落選して逮捕されましたね」
「あの服山さんですね」
「はい、あの人のサイト見たらこの娘いたんです」
三原はベラを見つつ二人に話した。
「ちらりと見ただけですが」
「じゃああの人ベラが妊娠したので」
「それで捨てたんですか」
「そういえばあの人選挙区ここでしたし」
「お家もここにありましたね」
「はい、今は逮捕されて引っ越しましたが」
そうなったがとだ、三原はさらに話した。
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