戦国異伝供書
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第八十一話 朝倉合戦その六
這う這うの体で朝倉城から本山城に落ちていった、元親はその状況を見てまた言った。
「これでじゃ」
「はい、我等はですな」
「本山家の大事な城を攻め落とせました」
「そして西に行ける様になりました」
「少なくとも四万十川の東岸まで」
「そうなった、これは大きい」
実にというのだ。
「では実際にじゃ」
「はい、我等はですな」
「四万十川の東まで、ですな」
「勢力を拡げますな」
「そうしますな」
「そうすると共にじゃ」
元親はさらに言った。
「わかるであろう」
「はい、次はですな」
「本山城ですな」
「本山家の本城ですな」
「あの城ですな」
「あの城を攻め落としてじゃ」
そしてというのだ。
「よいな」
「それからですな」
「本山家を降し」
「そうしてですな」
「因縁に決着をつけますな」
「うむ、そしてじゃ」
元親はさらに話した。
「本山家の後はじゃ」
「四万十川の西まで、ですな」
「勢力を拡げ」
「そしてですな」
「そのうえで、ですな」
「安芸家とじゃ」
次はこの家だった。
「ことを構えるとしよう」
「あの家ですか」
「本山家の次は」
「あの家を攻めますか」
「そうしてじゃ」
そのうえでというのだ。
「よいな」94
「土佐の東をですな」
「我等のものとしますな」
「次は」
「そうする、しかしじゃ」
ここでこうも言うのだった。
「安芸家も強い」
「左様ですな」
「土佐の東にしかと根を張っています」
「その勢力はかなりのものです」
「決して侮れませぬ」
「あの家は」
「だからじゃ」
それ故にというのだ。
「覚悟してじゃ」
「戦を進めますな」
「あの家とも」
「そうしていきますな」
「うむ」
こう家臣達に述べた。
「そして本山家、安芸家との戦に備えつつじゃ」
「西ですな」
「四万十川の西まで、ですな」
「そこにいる国人達を取り込んでいきますな」
「そうしていきまするな」
「朝倉城に兵を入れれば」
そうすればというのだ。
「西の国人達も思うであろう」
「我等が今土佐でどれだけの勢力を持っているか」
「そのことについてですな」
「そしてこちらに降る者も出て来る」
「その国人達をですな」
「取り込んでじゃ」
そのうえでというのだ。
「さらにじゃ」
「我等は力をつけますな」
「その手に入れた領地もしかと治め」
「その富も手に入れ」
「そうしてですな」
「さらに力をつけていく」
これまで以上にというのだ。
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