異世界転移した最強の俺、追放されたSSS級冒険者(美少女)を拾う
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三人です
俺達は目的の場所にやってきた。
どことなく薄汚れた路地には、人はいなかった。
大通りに面しているとはいえ、ここはあまり人の近寄らない場所であるらしい。
そこに入り込んで俺は周りを見回してからキャサリンに、
「ここで消えるのが目撃された、といった話でしたか?」
「はい。なんでも暗い亀裂が走ったかと思うと手が伸びてきてあっという間に子供が一人連れ去られたとかなんとか。他の子どもの証言ではそうなっています。ですが……」
「ですが?」
「すぐにこの場所を確認しましたが、特にそういった転移関係の魔法の形跡どころかほとんど魔法の影響がなかったそうです」
「ほとんど……というとまた別の魔法が少しはあったという事ですか?」
「はい。ただそれは、“睡眠”に関する魔法でしたが」
「“睡眠”ですか?」
「はい、どこからか流れてきたようですが、それだけです。ただ、そういった魔法は珍しい物でもあるのでどうしてここにあったのかは疑問ですが、その一緒にいた子がそう言った夢を見せるために“睡眠”の魔法が使われたのでは、とも推測はされました」
そう詳しく説明してくれるキャサリン。
どうやらその時“睡眠”の魔法を使われて連れ攫われた時に黒い亀裂が入って連れ攫われる“夢”を見たのではといった話になったようだ。
けれど俺はあることに疑問を持つ。
「その目撃した子供は一人なのか?」
「三人です」
「全員が同時に同じ夢を見れるのが“睡眠”の魔法なのか?」
「……そこまでの物は今まで聞いたことがありません。大抵は不眠の人用の魔法ですから」
「となると現実に起こっていて、何らかの形で“睡眠”の魔法が使われたって事か? ……連れ攫われるとき、その子供は悲鳴は上げたり暴れたりしなかったのか? そんな目にあいそうなら暴れそうな気もするが」
「恐怖で立ち止まる、という事はあるかもしれませんが……大人しく連れ攫われたらしいといった話でした」
「じゃあ即座に“睡眠”の魔法を使って眠らせて、抵抗できないようにして連れ去った、という可能性もあるのか」
そう俺は思考しながら答える。
子供と言えど得体のしれない人物にそう簡単に連れ攫われるのだろうかという気もする。
確かにそういった状況になり凍り付いたとも考えらえるが、も指摘の立場になるとしたら、暴れられないように何かをしかけてから連れ去った方が確実で“安全”だろう。
そういえば昔の推理ものでハンカチにクロロホルムをつけて気絶させて連れ去るのがあるが、実はあのクロロホルムは麻酔の効果で気絶するのではなく、気化するのでそれにより窒息して気絶するらしい。
その話は置いておくとして、意識をなくさせてから連れ去った、そういう事ではないのか?
そう俺は推察する。
となるとその“睡眠”関係の魔法をとっかかりにしてそれと関連している……“空間的”に関連しているものを探してみてもいいかもしれない。
その“睡眠”の魔法を使った人物は“空間”を割いて連れ去ったのかもしれないのだから。
「キャサリンありがとう、その“睡眠”の魔法をヒントにここ周辺を探ってみる」
そう俺は返して、特殊能力を使用したのだった。
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