異世界転移した最強の俺、追放されたSSS級冒険者(美少女)を拾う
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俺、“素人”だぞ!?
それから部屋に案内してもらった俺達。
教会の上の方の客間をお借りすることになった。
そこにとりあえずは滞在という事になったのだが、そこで一同が俺の部屋に集まる。
もちろん、メサイヤは来ていない。
メサイヤがこちらに来る前にどうにか話を終わらせようと俺は考えたのだが、部屋に案内されるとすぐにメサイヤはアイル神官長と、
「しかし、今日は大変でしたが……軽い運動……手合わせをしたいですね。最近体がなまってしまって」
「そうなのか? じゃあ俺もあれでは満足できないからもう少し戦いたいか」
そう二人が部屋の前で話し、俺の方を見る。
手合わせに来いよ、というような視線を感じるが俺は気づかなかったふりをする。
だって、俺はそこまで戦闘狂ではない。
何も気づかなかったふりをして俺は、部屋にみんなと一緒に入った。
それ以上俺は何かを言われる事もなく、窓からメサイアとアイル神官長が出ていくのを確認してから、
「ふう、助かった」
「一回くらい戦って負けてあげればいいじゃない」
そうルーシーが言うが俺としては、
「手を抜いて負けたのを見抜かれたら、それはそれで面倒だ。それに俺だってそれを考えなかったわけじゃない。……手を抜こうとしたら気づかれて、『手を追加で手合わせに十回な』とか言われたんだぞ!?」
「あ~、それは無理」
「そもそも俺そういった戦闘には慣れていないし……そう、俺、“素人”だぞ!? それなのになんでこんな事に!?」
と俺が言うと呆れたようにエリカが、
「さっきの“グラッカ教団”との戦闘が出来ている時点で、それも私達が対応できないのに倒せている時点で、“プロ”よ」
「……え?」
「“プロ”」
そう言い切ったエリカ。
そういえば彼女はSSSランク冒険者だった。
そして俺はそんな彼女のお墨付きをもらってしまった。
おかしい、すべてがおかしいと思った俺は、
「ルーシー、俺は“火力”的な意味で強い“異世界人”として呼ばれたんだよな?」
「え? 違うよ? その他の変数は召喚の際に入れたよ? 一言で説明すると“強い”だけれど」
そう女神様であるルーシーに言われた俺は、何となく嫌なものを感じた。
そしてそれを考える前に俺は、
「俺、この世界で“喫茶店のプロ”になる」
「え、ちょ、ユウスケ!」
「こんな風に男にひたすら挑戦され続ける異世界生活なんてやだぁあああ」
「ユ、ユウスケ」
ルーシーが俺を呼ぶ。
だが俺は、以前のあの連続手合わせという名の、驚異の攻撃を受けるのは嫌だった。
けがをするのは嫌なので俺の能力で全力で対抗したが……。
そう俺が思い出しているとそこでエリカが、
「兄さん本当に何をやっているんだか。でもそんなにずっと兄さんとこの世界で遭遇していたの?」
「それはない」
「じゃあできる限り顔を合わせないようにすればいいわよ。アイル神官長が言うには三日後くらいに連絡が一度来るのでしょう?」
「それはまあ」
「その間あの“喫茶店”に転移して戻っていればいいじゃない。二日目の夜に戻ってここで寝てれば問題がないでしょう?」
「なるほど……それに以来の物も渡さないといけなかったし、よし、それにしよう」
「うん」
「それで俺が喫茶店に戻っている間ルーシーとエリカはどうするんだ?」
そう聞いた時のルーシーの目が光った。
エリカは何かに気づきルーシーの方を見た。と、
「着せ替え……エリカの着せ替え……」
「……ユウスケ、私も一緒に、いえ、やっぱりルーシーも一緒に一度戻りましょう」
そうエリカが真剣な表情で俺に言ったのだった。
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