レーヴァティン
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第百四十五話 港町からその八
「そうだよな」
「そやで」
まさにとだ、美奈代は答えた。
「もうこんなんこっちの浮島で見掛けてもな」
「俺は用いないからな」
「そうするやろ」
「誰がどう見たって何の役に立たないレベルの馬鹿だからな」
それ故にというのだ。
「そうするな」
「それがええわ、むしろな」
「敵に送るべきか」
「それはいいな、有能な味方も有り難いが」
今度は正が言ってきた。
「やはりな」
「無能な敵も、だよな」
「有り難い、ある意味有能な味方よりもだ」
「欲しいものか」
「俺はそうも思った」
「成程な」
「そしてだ」
正はさらに話した。
「敵の上層部が間違えてだ」
「重用するとか」
「尚いい、だが現代日本のお花畑なぞ」
「こっちの世界じゃ相手にされないな」
「自分に都合のいい平和ばかり言う」
それに終始するというのだ。
「そして実は暴力的だ」
「連中のデモとか主張とかそうだよな」
「そもそも学生運動の頃は暴力革命を言っていた」
赤軍派や中核派のことだ、他には革マル派もあるが彼等のそれぞれの違いは外からではわかりにくい。
「ゲパ棒を持って暴れていた」
「それで平和とか民主主義とか言ってたな」
「とんだ馬鹿者達だった」
「そんなことしないで選挙に行けばいいからな」
「それがわからなくてだ」
「あの連中は暴れてたな」
「挙句にはテロや殺し合いまでした」
所謂内ゲバである、あさま山荘のそれはあまりにもおぞましいものであった。
「そんな連中だ」
「マジで敵に欲しいな」
「およそ何も出来ないからな」
「ああ、政も学も戦もな」
こうしたこと全てがというのだ。
「革命とか言っていてもな」
「そういうことだな、じゃあな」
「そうだ、そうした連中こそだ」
「敵に欲しいな」
「それも要職にな」
出来れば、というのだ。
「そこにいて欲しいな」
「全くだな、しかしな」
「こちらに来たらか」
「そんな奴等がな、その時はな」
どうするか、久志はもう答えが出ていた。
「門前払いだよ」
「それで終わりだな」
「他の勢力に入る様に言うさ」
「そうするか」
「他の街にも人相見回してな」
そうした輩のそれをというのだ。
「そしてだ」
「絶対に採用しないな」
「末端でもね、腐った林檎はどうしても入る場合もあるが」
それでもというのだ。
「出来る限りな」
「入れないことだな」
「そもそもな」
最初からというのだ。
「そうすべきだ」
「そうだよな、どうにもならない奴はな」
「ゼークトは見落としがあった」
「有能な働き者とか無能な働き者とかな」
「これは適材適所で変わる」
「そうだよな」
「例えばソフトバンクの柳田選手をキャッチャーに使うか」
正は起きた世界のことから例えを出した。
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