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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十二話 周泰、都に忍び込むのことその九

 張遼と華雄はだ。虎牢関においてだ。二人で話をしていた。
「ううむ、こうして待っているのはだ」
「性に合わんっちゅうんやな」
「そうだ。やはり私は出陣してこそだ」
 華雄はだ。眉を顰めさせて話すのだった。
「それで戦うことこそがだ」
「気持ちはわかるけどな」
「今は落ち着けというのだな」
「そや。そんなに身体動かしたいんやったらや」
 どうするか。張遼は話すのだった。
「そこいらで泳ぐなり自慢の斧振り回してこい」
「泳ぐのか」
「あんた泳ぐの好きやろ」
 こう華雄に言うのである。
「水議も持ってるしな」
「あの競泳水着か」
「それ着て泳いできい。好きなだけな」
「それもいいか」
「他に走るのもええな」
「体操服になってだな」
 今度はこれだった。
「あれもいいな」
「折角そんなええスタイルしとるんや」
 少なくともだ。外見はいい華雄なのだ。それもかなりだ。
「目立たなしゃあないやろ」
「そうだな。そういえば御主は」
「うちが?どないしたんや?」
「体操服は持っているのか?」
 張遼の顔を見ての問いだった。
「それはあるのか」
「ああ、体操服な」
「着ているのを見たことはないが」
「実は持ってへんねん」
 張遼はあっさりと答えた。
「あれや。さらしと半ズボンだけで充分や」
「ブルマはないのか」
「そや。持ってへん」
 やはりあっさりと答える。
「そういうのはや」
「そうか。何か味気ないな」
「ブルマはなあ。いやらしいからな」
 張遼は腕を組んでだ。難しい顔になって華雄に述べた。
「あれって下着と同じやろ
「そうだな。下着の上に下着を着ける様なものだ」
「めっちゃやらしいわ」
 それでだというのだ。
「うちは好きにはなれん」
「上もなのか」
「あんたそれでブラもろに見られたことあるやろ」
「あったな。呂布と二人三脚の時だったな」
 そのだ。天下きっての猛将と組んだ時にだというのだ。
「全力を発揮した奴に引き摺られてな」
「周り皆見てたで」
「あの時は参った」
 実際にそうだったと話す華雄だった。
「引き摺られるだけではなかったしな」
「ブラ見られた方が辛かったんやな」
「私とて女だ。見せないことが目的のものを公で見られるのはだ」
「やっぱり嫌やな」
「そういうことだ。それでだ」
「ああ、それでやな」
「とにかく今はだな」
 華雄は残念そうに述べた。
「待っているしかないな」
「恋がどうなるかやな」
「恋とねねか」
「まああの二人やったら滅多なことでは負けへんやろ」
 張遼はそのことは安心していた。
 
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