ドールハウス
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第三章
「けれど貴女も知ってると思うけれど」
「どうしたの?」
「お人形って憑くでしょ」
「あっ、悪霊が」
憑くと言われてすぐにだった、アリスは暗い顔になった。そのうえで未来に答えた。
「憑くわね」
「そうでしょ」
「ええ、よく聞くわ」
「そうしたお話はね」
「日本にもそうしたお話あるのね」
「あるわ、だからね」
それでとだ、未来はアリスに真剣さに暗いものも入れた顔で話した。
「私はそうしたお人形にはね」
「気をつけているのね」
「お人形は可愛くて好きだけれど」
「そうしたお人形は」
「絶対に近付けない様にしてるの」
「おかしいと思ったら」
「その時はね、私どうもそうした体質らしくて」
未来はアリスに暗い顔のままさらに話した。
「こうしたことがね」
「わかるの」
「俗に霊媒体質って言うけれど」
「イギリスでもそうした人いるけれど」
「どうも私そうした体質らしくて」
それでというのだ。
「わかるから」
「そうしたお人形も」
「だからそうしたお人形はね」
悪霊が憑いているそれはというのだ。
「近付けないの」
「そうしてるのね」
「ええ、貴女はそうしたことは」
「お話は聞いていたけれど」
それでもとだ、アリスは未来に話した。
「私はそうした体質じゃないから」
「そうしたお人形にもなのね」
「出会ったことないっていうか」
「気付かなかったのね」
「ええ、けれどそうしたお人形には」
「気をつけてね」
「わかったわ、じゃあその人のお家に」
アリスは未来にその話を聞いてからあらためて申し出た。
「行きましょう」
「それじゃあね」
「二人でね」
こうした話をしてだった、アリスは未来と共にだった。
そのドールハウスを好み詳しい人の家に行った、その人は立派な洋館に住んでいて二人はその前に来たが。
洋館を見てだった、未来はアリスに囁いた。
「ねえ、部室でお話したけれど」
「悪霊のお話ね」
「今私ね」
「感じたの?」
「こんなに強く感じたのはね」
アリスに強張った顔でさらに囁いた。
「ちょっとね」
「なかったの」
「はじめてよ」
「そんなになの」
「若しかしたら」
「これから見るドールハウスは」
「持ってる人もね」
その人物もというのだ。
「気をつけた方がいいかも知れないわ」
「そうなの」
「だからこれからお家に入るけれど」
「気をつけて」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
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