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力が全て

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第四章

「市民の皆さん安心して下さい!」
「我々は連合中央政府中央警察の者です!」
「この惑星は星間国家連合イロコイ共和国の領土になりました!」
「皆さんはイロコイ市民になります!」
「皆さんは中央政府及びイロコイ政府の保護下に置かれます!」
「皆さんの人権は保障されます!」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 街に警官達が入り署や交番も設けられパトロールも定期的に行われる様になった、戸籍調査も行われ市がインフラも積極的に行われる様になった。
 街は日に日によくなった、それでスラム街の者達は口々に言った。
「何か変わったな」
「ああ、ここはな」
「イロコイとかいう政府の下に入ってな」
「随分とよくなったぞ」
「電気とか水道のことをよくしてくれてな」
「インターネットもつなげてくれた」
 インフラの整備をしてくれているというのだ。
「治安もよくなったしな」
「警察がスリとか強盗とか取り締まってくれてるしな」
「子供もちゃんと学校に行ける様になった」
「普通の仕事も職業安定所が斡旋してくれる」
「こんな暮らし出来るんだな」
「夢みたいだぜ」
 彼等は笑顔で言い合った、だだ。
 ハラキヨセンは不機嫌な顔でこう言った。
「何や、一体」
「今の状況はですね」
「ヘッドは気に入らないですね」
「そうですね」
「この状況が」
「折角わしが邪魔な奴片っ端から皆殺しにしてや」 
 その様にしてというのだ。
「牛耳った場所やぞ」
「それが、ですね」
「中央政府とかいうのが来て」
「イロコイ政府だか」
「そういう連中が来てですよね」
「急に警官も来て」
 これまでスラム街には来なかった彼等がだ。
「それで市も政治をして」
「ガスや水道もちゃんと通って」
「インターネットなんてものもはじめて」
「ガキはちゃんと学校に通って」
「どいつもこいつもちゃんとした仕事に就いて」
「悪い奴は徹底的に取り締まられていますね」
「何やこれ」
 ハラキヨセンは不機嫌な顔のまま述べた。
「わしのシマも稼ぎもや」
「何かですね」
「見てきていますね」
「酒や武器の密造とか」
「ショバ代とか」
「売春もヤクの売買も」
「殺人も」
 とかくギャングの収入源の全てをというのだ。
「目をつけていますん」
「急にそんなのが出て来ていますね」
「何を考えているのか」
「俺達を取り締まるつもりですね」
「そんなこと出来るかい」
 それこそとだ、ハラキヨセンは言った。
「ここはわす等のシマやぞ」
「そうですよね」
「ここはサツが何か出来る場所じゃないですね」
「とても」
「それはないですね」
「サツに何も出来ないですね」
「若し変に嗅ぎ回る奴がいれば」
 その時はとだ、ハラキトセンはまた言った。
「その時はな」
「消しますね」
「サツも所詮俺達の敵じゃないですから」
「ずっとこっちに入れませんでしたし」
「新しい政府になったそうですが」
「そや、絶対にや」
 それこそと言ってだ、そしてだった。
 ハラキヨセンはこれまで通り動いていった、酒や銃の密造にショバ代の恐喝、法律を無視した売春に薬物の売買、そして暴行や殺人も平然と行っていた。 
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