ヘタリア大帝国
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
TURN35 マレー侵攻の前にその五
日本軍は瞬く間に倍の戦力があるガメリカ軍の三割を倒した。残った七割もダメージを受けているものが多い。その状況を見てだ。
クリスは決断を下した。その決断は。
「撤退よ」
「撤退ですか」
「そうしますか」
「ええ。既に基地の戦力は撤退させているわ」
日本軍のマニラ侵攻の報告を受けると共にだ。そうしたのだ。
「後はね。私達だけよ」
「それが予定通りですしね」
「それならですね」
「ええ、撤退よ」
クリスはまたこの言葉を出した。
「ならいいわね」
「わかりました。それでは」
「我々もこれで」
ガメリカ軍はこれ以上の戦闘は無意味としてあっさりと撤退した。クリスは日本軍の二度目の攻撃前に軍を退かせた。その彼等を見てだ。
田中は追撃に入ろうとする。だがその彼にだ。
台湾がだ。すぐにこう言ってきた。
「待って。今はね」
「何だよ。追うなってのかよ」
「陸軍をラバウルやガダルカナルに降下させましょう」
その方が先だというのだ。
「それに艦隊も傷ついたものがあるし」
「じゃあ今は占領に専念しろってのかよ」
「その方がいいわ」
こう田中に言うのだった。
「それに今追撃を仕掛けてもね」
「不都合があるのかよ」
「レーダーに反応よ」
ハニートラップはここでも目を顰めさせて田中に言う。
「ハワイ方面からガメリカ艦隊が来てるわ」
「撤退の援護ね」
その彼等がどういった目的で来たのかをだ。台湾はすぐに察した。
「それが来たわね」
「何!?じゃあ今はかよ」
「下手に追いかけたら痛いしっぺ返しを受けるわよ」
ハニートラップは元々は提督ではないがこうしたことは容易に察することができた。そのうえでの言葉だった。
「だから。今は我慢しなさい」
「ちっ、仕方ねえな」
「戦艦と駆逐艦の艦隊ね。だとすると」
台湾はそのハワイ方面から来た艦隊の編成を見て述べた。
「朽木=イザベラ提督ね」
「あの日系人のかよ」
「そうよ。何でもかなり攻撃的な提督らしいから」
士官学校でのことからの言葉だ。
「戦艦や駆逐艦を使っての鉄鋼攻撃の専門家らしいから」
「迂闊に攻められないね」
コーギーが言う。
「じゃあ今はね」
「ええ。向こうもラバウルに下手に来ないでしょうし」
それならというのだ。
「今はソロモン占領に専念しましょう」
「よし、それじゃあ今はね」
「陸軍を出して」
手長猿とパンダが台湾の言葉に応える。そうしてだった。
星域占領に陸軍が出されて占領が行われる。こうしてラバウルは占領された。
だがそれで終わりではなかった。田中は予定通りマイクロネシア、ラバウル双方の防衛にあたることになった。さしあたってはラバウルに治安回復の目的もあり駐留することになった。
その彼にだ。台湾が話す。
「ここには伊藤さんと韓国と山本さんが向かってるから」
「そうなのかよ」
「私達は一月駐留して治安回復を兼ねた休憩の後でね」
ダメージを受けた艦隊は既に日本本国に向かうことが決定している。
「ニュージーランドに向かうから」
「あそこも攻略するんだよな」
「ええ、そうよ」
その為以外の何者でもなかった。
「後は宜しくね」
「ああ。来た敵は片っ端から叩き潰すぜ」
「怪我はしないでね」
台湾は血気にはやる田中を注意した。
「あんたも大切な提督なんだからね」
「へっ、俺がそう簡単にやられるかよ」
「そう思ってるのが一番危ないのよ」
台湾は咎める顔も見せた。
「全く。あんたは本当に無鉄砲なんだから」
「とにかくね。後は任せたからね」
ハニートラップの艦隊もダメージを受けていない。それで彼女もニュージーランドに向かうことになっていた。ソロモンからすぐにニュージーランドに入ろうとなっていた。
ページ上へ戻る