妖しきハーレム
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第三章
それからだ、コンスタンツェに対して話した。
「テーブルには私達だけね」
「他の人はもう」
「夕食を済ませたの」
「本日おもてなしがありまして」
傍に控えていた執事が言ってきた、黒の長い髪の毛を後ろで束ねたスレンダーな体形の美女だ。この執事もアランソの妻の一人だ。
「それで私共も」
「そういえば今日は」
「はい、お世話になっている領地の商店街の方から」
「パーティーのお誘いがあったわね」
「このオリンポスで」
「皆それに出ていたのね」
「当直の者以外は出まして」
当直の者は当直室で食事を摂ることになっている。
「それで、です」
「そちらで食べたから」
「申し訳ありませんが」
「そうなのね、ならね」
ここまで聞いてだ、アランソは頷いて述べた。
「皆にはこう伝えておいてくれるかしら」
「何とでしょうか」
「楽しんでくれたならね」
それならというのだ。
「私は満足よ、そしてね」
「夜はですね」
「ええ、夜の楽しみを満喫しましょう」
「その様にですね」
「伝えてくれるかしら」
「畏まりました、そしてですね」
執事はアランソに畏まった執事らしい態度で応えた。
「今のご夕食の後は」
「ええ、今日私と共に入る娘はね」
「供を」
「お願いするわ」
「それでは」
「夜がはじまったわ」
夕食、今彼女がアランソと共に摂っているこれからというのだ。
「そうなったから」
「だからですね」
「今宵も楽しみましょう」
「それでは」
「酒池肉林というわね」
赤ワインをアメジストのグラスで飲みつつだ、アランソはこの言葉も出した。
「よく」
「古代の中国の言葉でしたね」
「連合のあの国のね」
「その言葉の通りにですか」
「今宵も楽しみましょう」
「それでは」
「本来は美酒美食という意味の言葉だけれど」
そうした贅沢を指した言葉だった。
「私は違うわ」
「私達とですね」
「そう、楽しむことがね」
アランソはコンスタンツェにも答えた。
「私の酒池肉林よ」
「左様ですね」
「そう、貴女達に囲まれる」
「そうしてですね」
「愛し合うことがね」
風呂、そしてベッドの中でだ。
「そうすることがね」
「貴女の楽しみで」
「酒池肉林よ」
そうなるというのだ。
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