オズのハンク
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第四幕その九
「巨人であることが多いわね」
「ギリシアや北欧やケルトの神様はそうだね」
ハンクがベッツイに応えました。
「考えてみれば」
「そうよね」
「うん、神話の本とかよく読むと」
「ゼウス神達もね」
「巨人なんだよね」
「凄く身体が大きいわよね」
「何メートル以上もあるね」
ハンクは具体的な大きさのお話もしました。
「巨人だよね」
「そうなのよね」
「インドの神様も大きさを自由に変えられるし」
「あそこの神様は変身も出来るわね」
「そうだよね」
「けれど」
ここでベッツイはあらためてトト神を見て言いました。
「エジプトの神様は」
「人と同じ位の大きさで」
「そこは変わらないわね」
「神話を見てもその様だね」
トト神も言ってきました。
「我々の神話では人はほぼ出ないがね」
「そうなのね」
「人とあまり変わらない大きさの様だね」
「大きさ自体はそうなのね」
「ギリシアや北欧の神々は巨人達と戦っているが」
「あの神様達の血筋はね」
「元々巨人だね」
トト神はこのことを指摘しました。
「そこを見ても」
「ええ、ゼウス神だってね」
「両親は元々巨人の神々だよ」
「ティターンね」
「あの神々は巨人であって」
「その子供になると」
「当然巨人となる」
「そうね、北欧の神様もそうだし」
ベッツイはこちらの神様のお話もしました。
「巨人族と結婚していたり元々は巨人族だったとか」
「多いね」
「北欧神話は」
「そうしてみると彼等も巨人だね」
「そうした神様ね、ケルトの神様も」
彼等もというのです。
「やっぱりね」
「巨人の神様だね」
「ええ、よく読んでみたら」
本をと言うベッツイでした。
「ケルト神話の」
「フォモールという巨人と戦っていてね」
「凄く大きな武器も持っているし」
「とんでもない量の牛乳やおかゆを口にしていることからも」
「巨人ね」
「そう、欧州の神々は巨人の神が多いのだよ」
まさにと言うトトでした。
「しかし我々は」
「巨人ではないのね」
「少なくともオズの国にいるとだよ」
「人の大きさなのね」
「そして今君達の前にいるのだよ」
「成程ね」
「さて、沐浴を済ませたら」
そうしてと言うトト神でした。
「私の祭壇にだね」
「お祈りをさせてもらっていいかしら」
「是非共」
これがトト神の返事でした。
「そうして欲しいよ」
「ではね」
「尚私は学問の神であると共に」
「あら、学問なのね」
「そして神々の書記であり」
そしてというのです。
「同時に戦いの神でもあるのだよ」
「戦いもするの」
「オズの国では戦いはないがね」
それでもというのです。
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