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ヘタリア大帝国

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TURN34 開戦と共にその十一

 カテーリンはミーシャとロシアにこんなことを言っていた。
「今はあれでいいの」
「日本との中立条約の維持」
「それでなんだね」
「そう。何かドクツの動きがおかしいし」
 カテーリンは直感的にこのことを察していた。
「だからよ」
「そうだね。それがいいね」
 ミーシャが最初にカテーリンに賛成した。
「ドクツも何時か攻め込んでくるだろうしね」
「そう。モスクワの守りを固めるわ」
「ロシア平原とかバルト三国はどうするの?」
「勿論守るけれど」
 だがだとだ。カテーリンはここで言った。
「ドクツ軍は強いから」
「守りきれないかもっていうのね」
「そう。だからいざとなったら撤退するの」
 軍はだ。そうさせるというのだ。
「モスクワを陥とされなかったらいいから」
「そうだね。僕の心臓だからね」
 今度はロシアが言う。
「このモスクワはね」
「そう。とはいってもね」
 ここでだ。カテーリンはこんなことも呟いた。
「このモスクワが陥落してもまだ」
「あの星域ね」
「あそこがあるっていうんだね」
「そう。私達だけが知ってるね」
 そうした星域があるというのだ。
「あそこがね」
「あそこを知ってる人って少ないけれどね」
「僕と妹と」
 ロシアが言う。
「それにカテーリンさんとミーシャさんと」
「ゲーペ先生だけだからね」
「あとあの博士だね」
 ロシアはこうミーシャに話す。
「本当に少ないよね」
「モスクワが陥落してもあそこがあるから」
 だからだとだ。カテーリンは言うのだった。
「何とかなるけれど」
「けれどモスクワは死守ね」
「そう。絶対に守るの」
 カテーリンは強い声と顔になっていた。
「ソビエトは皆の国だからドクツなんかに渡さないの」
「ドクツ軍が幾らに強くてもね」
「負けないから。それでその為には」
「あの大怪獣?」
「ニガヨモギはどうなの?」
 カテーリンはあの怪獣のことをだ。ミーシャとロシアに尋ねた。
「あの大怪獣は」
「さっき四国の諜報員から連絡があったよ」
 ミーシャがすぐに答えてきた。
「その娘の毛を手に入れられたらしいよ」
「そう。じゃあすぐにここに送ってもらって」
「ロリコフ博士にお渡ししてよね」
「クローンを造って」
 そうしてだというのだ。
「ニガヨモギを操ろう」
「それでドクツ軍にぶつけるのね」
「ドクツ軍がどんなに強くても勝てるから」
 大怪獣ならばだというのだ。
「だからすぐにクローン作ろう」
「そうだね。そうしよう」
「勿論軍もこのまま増強するから」
 通常艦隊もだというのだ。
「数よ。数は必要だから」
「僕も戦うからね」
「祖国君も頑張ってね」
 カテーリンは強い声でロシアに告げた。
「ドクツとの戦いに勝ってこそだから」
「そうだね。東欧を全部掌握して」
「太平洋を解放するから」
 ソビエトが次に向かう先はそこだというのだ。
「日本もガメリカも中帝国も全部懲らしめてやるんだから」
「カテーリンちゃん三国共嫌いなのね」
「大嫌いよ。全部間違ってるよ」
 カテーリンは強い声で言った。
 
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