ヘタリア大帝国
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TURN34 開戦と共にその六
「僕も何度か会っているあるがかなりの叡智を持っているある」
「神に相応しいまでの」
「そうある。ただどうもある」
「どうもといいますと」
「何か隠しているところがあるかも知れないあるな」
何となくだが中国はそう感じていた。
「あの神は」
「隠していますか」
「そんな気がするある」
「人間のことについてですか」
「国家は人間が文明を築いて国家を築いた時に生まれるある」
そうしてだ。彼等は出て来るのだ。
「だから柴神は僕達の誕生の時も見ているある」
「そうなりますか」
「人間は何処から出て来たのか」
中国は深く考えながら述べていく。
「あの神は全て知っていると思うあるが」
「それについて知ることはですね」
「あの神は口が堅いある」
だからその真実はわからないだろうというのだ。
そうした話をしながら中国は港で直接軍の編成にあたっていた。謎を感じながら。
エイリスにも日本帝国からの宣戦布告が来た。日本妹からの。
それを受けてだ。セーラは毅然として居並ぶ祖国と騎士提督達に述べた。
「すぐに太平洋に艦隊を派遣します」
「植民地艦隊だけでの防衛は無理ですね」
「はい、到底できるとは思えません」
毅然としてだ。セーラはイギリス妹に答えた。
「とても」
「だからこそですね」
「本国の正規艦隊の五分の一を送ります」
「それだけをですね」
「はい。そして司令官は」
騎士提督、今はネルソンとロレンスの二人だ。その二人を見ての言葉だった。
「ネルソン、お願いできるでしょうか」
「私ですね」
「貴方は太平洋にいたことがあります。ですから」
あの一体のことも知っているからこそだというのだ。
「お願いします」
「わかりました。それでは」
「すぐに向かって下さい」
「畏まりました」
ネルソンは即座にセーラの命に答えて一礼した。
「では必ずや東洋の憂いを晴らしてきます」
「お願いします。そして」
セーラはネルソン以外にもだ。イギリスも見た。それで彼にも言ったのである。
「祖国殿、貴方にもお願いできるでしょうか」
「わかったぜ。俺も行くぜ」
「是非共。貴方とネルソンがいれば」
「ああ、日本を止めてみせるぜ」
強い声でだ。イギリスはセーラに答えた。
「絶対にな」
「東洋は貴方達に任せました。そしてアフリカですが」
ロンメル率いるドクツ軍及びイタリン軍と対峙しているだ。そこにもだというのだ。
「援軍を送りましょう」
「では私が」
イギリス妹が応えてきた。
「モンゴメリー提督のところに向かいます」
「貴女が言ってくれますか」
「そうさせて頂いて宜しいでしょうか」
「スエズを失えばエイリスはその大動脈を失います」
東洋、そしてアフリカの植民地の中心だ。まさにスエズはエイリスの第二の心臓なのだ。
その心臓を失う訳にはいかない。それでだった。
「ですから。お願いしますね」
「ではその様に」
「日本とドクツの両方との戦闘になったらね」
マリーがだ。溜息と共に言った。
「戦力が分散しちゃうのよね」
「それはわかっているんだけれどな」
イギリスがぼやきながらマリーのその言葉に応える。
「仕方ないんだよ」
「植民地を守らないといけないから」
「そういうことさ。エイリスの植民地は広いからな」
「全部守らないとね」
「それだけエイリスの国力が落ちるんだよ」
「そうなるからだね」
「ああ、だから俺とネルソンさんで行って来るさ」
イギリスは右の親指で自分自身を指差して言った。
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