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ヘタリア大帝国

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TURN31 開戦その八

「失礼しました。私ごときが」
「いえ、別に構いませんが」 
 日本自身はこう返す。
「私としましてはむしろ畏まってもらう方が恐縮です」
「そうなんですか?」
「はい、畏まらずにフランクに」
「だから俺はそうしているんだがな」
 東郷は飄々として述べる。
「祖国さんのそうしたところを見てな」
「君はまたフランク過ぎる」
 平賀が久重の口で言ってくる。
「もう少し礼儀を守るべきではないのか」
「いえ、東郷さんは紳士ですが」
 ところが日本はこう言う。
「それも立派な」
「えっ、そうなんですか!?」
 久重は自分の言葉を出した。
「この人が!?それは幾ら何でも」
「いや、東郷は紳士だ」
 その久重にだ。平賀は自分の口で言った。
「そのことは私も保障する」
「そうなんですか」
「祖国殿の目は確かだ。安心しろ」
「まあ祖国さんが言うんならいいですがね」
「そういうことだ。ではだ」
「ええ、新旗艦の設計、開発ですね」
「それとあれだ」
 平賀はまだ言うのだった。
「あれの開発も進めよう」
「ええ、あれは面白いことになりそうですね」
「どうやら隠し球があるな」
 東郷は二人の話に面白そうに笑って突っ込みを入れた。
「その隠し球が出る時も楽しみにしておこうか」
「そこで詳しくは聞かないか」
「今全部わかると面白くないからな」
「余裕か」
「こうした状況だからこそ余裕がないと駄目だ」
 東郷はわかっていた。このこともだ。
「そういうことさ。じゃあ全軍出撃だな」
「この戦い、日露戦争と同じくです」
 日本は気を引き締めさせて述べた。
「運命の戦いとなります」
「それじゃあその運命の戦いにな」
「今から参りましょう」
 日本は東郷と共に歩む。そうしてだった。
 彼等はそれぞれの乗艦に乗り込む。そうするとだった。
 東郷は長門の艦橋において秋山に告げた。
「じゃあ行くか」
「出撃ですね」
「ああ、俺達はマニラに向かう」
「マイクロネシアにはですね」
「山本の爺さんに柴神様にな」
「わしだ」
「わしも行くぞ」
 宇垣と伊藤が出て来た。
「それと私もです」
「頑張ってくるんだぜ」
 日本妹に韓国、この六人が率いるそれぞれの艦隊だった。
「では頑張ってきます」
「そうしてくるんだぜ」
「あちらには六個艦隊ですね」
「マイクロネシアにはそれだけで充分だ」
 東郷はその判断を秋山に述べる。
「だがマニラ方面はな」
「はい、エイリスの植民地にも侵攻しますので」
「その六個艦隊以外の全部の艦隊を投入する」
 つまりこちらが主力だというのだ。東郷が直接率いるだけのものがあった。
「最初からそうするつもりだった」
「最初からですね」
「それは当然だと思うな」
「はい」
 秋山は即答で答えた。
「やはり。我が国が勝利を収めるには」
「まずはエイリスの植民地を解放してだ」
「現地の彼等の協力を得ることですね」
「そういうことだ。経済圏を作る」
 このことも言う東郷だった。
 
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