レーヴァティン
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第百四十一話 セビーリャ沖の湖戦その十
「敵を倒せよ」
「わかりました」
「このまま爆裂弾を使い」
「火炎弾もですね」
「使っていくのですね」
「そして敵を沈めていくな」
敵の船達をというのだ。
「いいな」
「了解です」
「ではですね」
「そうして敵のこの艦隊も倒す」
「そうしますね」
「ああ、しかしこっちもな」
ここでだ、久志は自分達の艦隊を見た。それは二つの戦場両方だった。そのうえで士官達に言うのだった。
「わりかし損害を受けてるな」
「ですね、想定していたよりも」
共にいる順一が言ってきた。
「損害が多いですね」
「ああ、どうもな」
「敵もです」
「必死にあっちの攻撃射程に入ってきてな」
「砲撃を行い」
そしてだったのだ。
「術や鉄砲もです」
「使ってきてるからな」
「その為です、こちらは確かに敵に損害を与えていますが」
このことは事実でもだ。
「それでもです」
「こっちもな」
「損害を受けていますね」
「ああ、オクタヴィアヌス沈んだしな」
ガレオン船の一隻である。
「他にも撃沈、大破の船がな」
「出ています」
「ですから」
それでというのだ。
「敵もさるものとです」
「言うしかないな」
「まことに」
「いい水軍だな」
連合王国の水軍についてだ、久志は素直に賞賛の言葉を述べた。
「実に」
「そうですね」
「敵ながらな、けれどな」
「ここはですね」
「この優勢をそのまま保ってな」
「戦っていきますね」
「そしてな」
「勝ちますね」
「そうしていきましょう、このまま」
「それじゃあな」
久志は順一の言葉に頷いた、そうして砲撃とだった。
接近しての術それに鉄砲での攻撃を開始した、久志は鉄砲で敵船の乗員達を攻撃させるがそれを見てだった。
彼はここで敵への攻撃を見つつ言った。
「鉄砲はいいにしても」
「それでもだな」
「ああ、揺れる船の上で撃つとな」
「この通りだ」
正は冷静な顔で述べた。
「狙いは定めにくい」
「足場が揺れるからな」
「どうしてもな、だからな」
「もう狙いを定めることはな」
「考えずにな」
「数を撃つことだ」
このことが重要だというのだ。
「もうな」
「というか戦場での攻撃はな」
「数だな」
「狙いを定めるよりな」
「そうだ、そして今もな」
艦隊戦でもというのだ。
「数ということだ」
「狙いよりもな」
「一発一発は当たらないが」
それでもというのだ。
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