オズのハンク
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第一幕その十一
「この人はピラミッドじゃないけれど」
「呪いがあったの」
「そうなの、王家の墓っていうところに葬られていて」
「そのお墓を暴くとね」
それでと言うハンクでした。
「呪われたってね」
「そうしたお話があったの」
「お墓を暴いてその財宝を奪ったから」
「呪われたの」
「そうしたお話があったんだ」
「そうだったのね」
「オズの国にはないお話だね」
ここでこう言ったのはカエルマンでした。
「呪いにしろお墓にしろ」
「そうだよね」
「うん、私も聞いていてね」
牛乳を飲みつつです、カエルマンは首を傾げさせて言いました。
「珍妙なお話だと思ったよ」
「そうだね」
「うん、そんなお話があるんだね」
「外の世界にはね」
「お墓は言うならお家だね」
カエルマンはこう考えました。
「そうだね」
「死んだ人のね」
「そうしたところに入って何かを取るのは悪いことでも」
それでもと言うカエルマンでした。
「そうした怖いことはね」
「オズの国ではないね」
「そもそも人のお家に勝手に入る時点で」
もうこの段階でというのです。
「ないよ」
「そうだね」
「けれどね」
それでもと言うカエルマンでした。
「呪いはもっとね」
「よくないよね」
「オズの国では魔法は決められた人しか使えないけれど」
オズマにグリンダ、そして魔法使いといった人達です。
「その人達も呪い、呪術はね」
「使わないね」
「絶対にね」
「だからオズの世界にはないわね」
ベッツイはまた言いました。
「こうしたお話は」
「絶対にないよ」
カエルマンはベッツイに対して断言しました。
「何があってもね」
「そうしたお話よね」
「本当にね、けれど今お話した通りにね」
「ピラミッドでもよね」
「オズの国だからね」
それでというのです。
「絶対にないよ」
「そうよね」
「そう、だからね」
「安心して中に入って」
「楽しめるよ」
カエルマンはベッツイに笑顔でお話しました。
「最初から最後までね」
「それで出てからも」
「何もないよ」
「呪いもなくて」
「私はツタンカーメン王のお話は知らないけれど」
それでもというのです。
「呪いがないからね」
「最初からないわね」
「絶対にね、だから安心して」
「楽しんで行けばいいわね」
「そうだよ、そして私も」
カエルマンはさらに言いました。
「楽しむよ、ただ私もね」
「ピラミッドの行くのははじめてだから」
「ピラミッドに入るとね」
何もかもというのです。
「楽しめるよ」
「そうよね、はじめての場所にもね」
「どんどん入って」
「心から楽しむのがね」
「オズの国だから」
だからこそというのです。
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