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レーヴァティン

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第百三十九話 西への出航その十一

 クラーケン、十体はいた彼等を瞬時に倒した。強力なモンスターを瞬時に倒したのを見て将兵達は喝采をあげた。
 その喝采を見てだった、久志は戦いを終えた直後でまだ空にいるがレーヴァティンを鞘に収めてから仲間達に言った。
「よし、狙い通りだな」
「はい、強いモンスターを倒し」
 源三が応えてきた。
「それを見た将兵の方々がです」
「士気を上げたな」
「狙い通りですね」
「まさにな、これから連合王国の船団との一戦になるけれどな」
「その前にですね」
「本当にな」
 まさにと言うのだった。
「いい景気付けになったな」
「軍勢に損害も出さなかったですし」
「軍勢でも戦えるけれどな」
 それでもとだ、久志は源三に話した。
「それでもな」
「大損害を出しますからね」
「クラーケンは強いからな」
「一体でもかなりの強さで」
 そしてというのだ。
「それが十体以上ともなると」
「洒落になってないからな」
「だからな」
「軍勢で戦えば」
「どれだけ損害出すか」
 それこそというのだ。
「わからなかったしな」
「今軍に損害を出したくないですね」
「絶対にな」
 何があってもとだ、久志は源三に答えた。これは軍を預かり率いる者として当然の考えであり彼も同じなのだ。
「今はな」
「戦では損害が出ます」
「どうしてもな、だからな」
「戦の前には損害を出さない」
「だからモンスターにはな」
「それが強力なら」
 そうしたモンスターが出て来たらというのだ。
「私達が出て」
「倒した方がいいな」
「そして私達がモンスターを倒す」
 源三はさらに言った。
「その姿を将兵達が見ます」
「俺達の強さをな」
「兵を率いる者達が強いと」
「やっぱり安心感が湧くよな」
「そうです、武勇と采配は違いますが」
 それでもというのだ。
「やはり強さを見せると」
「士気が上がるな」
「士気も重要です」
 順一も言ってきた。
「やはり」
「そうだよな。幾ら数が多くて船や武具がよくてもな」
「士気の低い兵は」
「弱いよな」
「逆に弱兵でもです」
「士気が高いとな」
「その分強いです」
 そうもなるというのだ。
「やはり」
「そうなんだよな、だからな」
「我々がモンスターを倒せば」
 その中で強い者達をというのだ。
「それだけで、です」
「いいことばかりだな」
「左様です、では」
「また強いモンスターが出たらな」
「戦いましょう」
「そうしような、じゃあな」
 あらためてだ、久志は仲間達に話した。
「金を拾い終えたらな」
「その後で、ですね」
「それぞれの船に戻って」
「セビーリャに向かいましょう」
「そうしような」
 こうしたことを話してだった、そしてだった。 
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