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腐女子の素顔

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第五章

「なもりさん的に思われて」
「それでか」
「読者さんに言われたんじゃない?」
「あたしにそんな気なくてもか」
「そう、なくても」
 それでもというのだ。
「あんたの作品はね」
「そう見られたの」
「そうじゃない?というか」
「というか?」
「あんたこれで二冠王じゃない」
 にひひとした笑顔になってだ、千夏は遥に話した。
「ボーイズラブと百合」
「どっちもかよ」
「そう、後はね」
「男女交際かよ」
「そっち書いたら三冠王じゃない」
「松中さんになるんだな」
 遥は千夏に野球には野球で返した。
「つまり」
「そうよ、目指す?」
「ボーイズラブはわかってるけれどな」
 それでもとだ、遥は言った。
「百合は狙ってないしな」
「男女交際は?」
「描く気ないしな」
「そうなの」
「じゃああんた自身も」
 また愛生が言ってきた、相変わらず楳図先生の漫画を読んでいる。遥は四コマの下書きを描いている。
「女の子と恋愛するの」
「何でそうなるんだ?」
「だって描く気ないのね」
「ないけれどな」
「それじゃあ女の子と」
「いや、恋愛対象は男の子だろ」
 遥はそこは真面目に返した。
「それも大谷翔平さんみたいな長身で何頭身あるかわからない」
「怪物趣味なのね」
「怪物かよ、大谷さん」
「あの能力はチートよ」
 そうした意味で怪物だとだ、愛生は返した。
「最早改造コードで造った選手よ」
「某パワプロだとか」
「その域よ」
「というかそこは柳田さんじゃない?」
「私は山川さん」
 千夏も愛生もそれぞれ言ってきた。
「ライオンズ万歳」
「今年もホークスだからね」
「野球の話はいいだろ、今年ファイターズ失速したしな」
「まあね、またチート選手出るまでね」
「ファイターズは待ちね」
「今はな、しかしあたしの恋愛はな」
 それはとだ、また話すのだった。
「やっぱりな」
「男の子なの」
「ノーマルなの」
「何で女の子とそういうことするんだ?」 
 理解出来ないという口調での返事だった。
「そもそも」
「そういう娘もいるんでしょ」
「世の中には」
「ってこれボーイズラブもじゃない」
「同性愛だから」
「いや、あれはな」
 ボーイズラブはとだ、遥は二人に必死の顔で返した。
「もう夢っていうか幻想っていうかな」
「それなの」
「そうした世界なの」
「そうだろ、あたしの夢というか幻想でな」 
 それでというのだ。 
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