レーヴァティン
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第百三十九話 西への出航その五
「わからん位や」
「そんなものか」
「こっちは十隻あるな」
「今はな」
「その十隻も使うやろ」
「ああ、そしてな」
それでとだ、久志は美奈代に答えた。
「偵察にな」
「上からの攻撃にやな」
「使うぜ」
「そうしてやな」
「戦うな、しかしな」
ここでだ、久志はまた言った。
「空船も多いのは有利だな」
「そや、上から攻撃出来るし」
「偵察とかもな」
「出来るしな」
「本当に使えるな」
「そやろ」
「移動も速いしな、移動の術も使えるけれどな」
瞬時に目的の場所に行けるこの術の話もした。
「結構高度な術でな」
「使えるモン限られてるしな、あの術は」
「しかも使ったらな」
「気力使うからな」
「それもかなりな」
「だからな」
「使いどころが難しいな」
美奈代も言った。
「うち等は全員使えるけど他のモンはな」
「そうそう使えるもんじゃないな」
移動の術はというのだ。
「どうしてもな」
「そやろ、まあ空船も高いけど」
それでもとだ、美奈代は話した。
「あるとないでな」
「全くちゃうしな」
「多いとな」
「尚更ええしな」
それでというのだ。
「それでや」
「俺達は空船もか」
「持てるだけ持っていこうな」
「そして戦にも使うか」
「そうしよな、しかしな」
久志はここでこんなことも言った。
「空船は東の浮島との行き来にも使うけれどな」
「それが何か」
夕子は久志に問うた。
「ありますか」
「いや、東の島でいいものがあったらな」
「その空船で、ですか」
「運んでな」
そしてというのだ。
「手に入れるか」
「そうしますか」
「ああ、あと東の浮島の状況もな」
このこともというのだ。
「知りたいな」
「あちらは順調にです」
夕子は久志にその東の浮島のことを話した。
「領土を拡大しています」
「そうなんだな」
「若しかすると我々以上にです」
「順調にか」
「勢力を拡大して」
「統一に向かってるんだな」
「その様です」
こう久志に話した。
「あちらは」
「そうか、じゃあな」
「我々もですね」
「頑張ってな」
そして、とだ。久志は夕子に笑って話した。
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