レーヴァティン
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第百三十九話 西への出航その三
「悪事を働いてな」
「酷いことになるな」
「傭兵にしろだ」
「連中もな」
「元はならず者や食い詰め者でだ」
「食う為になってる奴多いしな」
「食い詰め者はともかくな」
こうした者は色々といるがというのだ。
「ならず者はな」
「結局ならず者だからな」
「こうした連中が傭兵になってだ」
「傭兵は問題起こすからな」
「軍隊も同じだ」
つまり正規軍もというのだ。
「やはり最初からだ」
「しっかりした奴入れるべきだな」
「それが例え徴兵でもだ」
領地の民達を義務として軍隊に入れて兵士にしてもというのだ。
「確かな者を選ばないとな」
「駄目だよな、やっぱりな」
久志はここで言った。
「戦前の日本みたいにな」
「あの様にな」
「かなり厳しい基準を設けてな」
「兵を集める方がいい」
「そうだよな」
「日本の徴兵基準は厳格だった」
戦前のそれはというのだ。
「甲乙丙丁の四段階で甲でないと駄目でだ」
「一番上が絶対tってのが凄いな」
「それで品行方正でないとなれなかった」
「滅茶苦茶厳しかったな」
「流石に二次大戦の時は基準が緩くなったが」
多くの兵を集める為に止むを得なくそうしていたのだ。
「しかしだ」
「通常はかなり厳しかったな」
「そこまでしてだ」
「精鋭を揃えていたんだったな」
「その選んだ者達を厳しい訓練と軍律でさらに鍛えていたからな」
「それで日本軍強かったんだったな」
「こうまでしないとだ」
それこそとだ、正は久志に話した。
「しっかりした軍隊にならないからな」
「最初から人は選ぶべきだな」
「そうだ」
そこは絶対だというのだ。
「我々は徴兵を敷いていないがな」
「志願制だからな」
「志願制でも同じだ、むしろ志願制ならな」
「余計にな」
「最初からだ」
まさにその時点でというのだ。
「人を選ぶべきだ」
「そうだよな」
「ならず者なぞ軍隊に入れるな」
正の考えは変わらなかった。
「何があってもな」
「だよな、それで水軍もな」
「そうだよ、本当にな」
ここでまた芳直が言ってきた。
「確かな人材を採用してな」
「そこからだよな」
「訓練と軍律で鍛えてしっかりとしないとな」
それこそというのだ。
「駄目なんだよ」
「水軍は特に専門的だしな」
陸軍と比べてとだ、久志も話した。
「水兵にしても」
「ああ、だからな」
「陸軍以上にか」
「ちゃんとした人材採用してるからな」
「それで戦に備えてるか」
「適材適所もな」
こちらのこともというのだ。
「考えてやってるさ」
「水軍も大変だな、特に俺達の勢力はな」
「まずは地中湖沿岸部の掌握だろ」
「それを考えているからな」
「そこから黒湖も行くな」
この浮島の東の端の方にある湖だ、その端が浮島の端に届いていてそこから先は空になっているのだ。
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