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レーヴァティン

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第百三十八話 湖沿岸部その十

「それでもね」
「やっぱりこうした時は強い水軍があるとな」
「攻める方が圧倒的に有利よ」
「そうだよな」
「向こうの水軍も強いけれど」
「こっちの方が強いからな」
「うちの水軍はこの浮島一よ」
 そこまでの強さだというのだ。
「だからあの国の水軍にもね」
「勝てるな」
「おそらく全水軍を出して来るだろうな」 
 水軍を指揮する芳直も言ってきた。
「向こうも」
「戦力で劣っていてもだよな」
「むしろそれだけにな」
 戦力が劣っているだけにというのだ。
「来るからな」
「全力でな」
「戦力が劣っているとな」
「そのことを相手もよくわかっていてな」
「何が何でも勝とうという気になって」
 それでというのだ。
「必死で来るな、俺っち達にしても」
「そういうことだな」
「だからあそこの水軍がな」
 それこそというのだ。
「全戦力で来るだろうな」
「じゃあいきなり激しい戦になるか」
「絶対にな」
 芳直は久志に対して断言して答えた。
「そしてそれで負けると」
「上陸は難しくなるな」
「そう思っておけ」
「だよな、じゃあな」
「勝つつもりだな」
「ああ」
 絶対にとだ、久志は芳直に答えた。
「戦をするからにはな」
「そうするな、こちらは軍艦の数にだ」
 芳直はまずはこちらの話をした。
「大砲に鉄砲、術を使える者の数でな」
「勝ってるな」
「ラムもしっかりしている」
 船首にある体当たりに使うこちらもというのだ。
「勝てる要素は多い」
「そうだよな」
「そして戦までにな」
 それがはじまるまでにというのだ。
「出来るだけより多くのな」
「軍艦を建造しておくか」
「それはしているしな」
 今の時点でとだ、久志は答えた。
「沿岸部全体でな」
「ああ、だからな」
「その軍艦もか」
「使ってな」
 新たに建造したその艦艇達も戦に投入してというのだ。
「戦うか」
「そうだ、戦まであと少し時間があるな」
「これから準備に入るしな」
「ならだ、艦艇の建造を急がせて」
 そしてとだ、芳直は久志に話した。
「増産もだ」
「させるか」
「水軍はこれからも必要だ」
 連合王国との戦だけではないというのだ。
「諸都市群とも戦うしな」
「その時も使うしな」
「あと北に進んだ時もな」
 これからのことも話すのだった。
「黒湖の方にも進出するだろ」
「そっちもな」
「ならな」
 それならというのだ。 
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