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レーヴァティン

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第百三十八話 湖沿岸部その八

「一つの国になった」
「だから連合王国か」
「そや、東の王様と西の女王様が結婚してな」
 そうしてというのだ。
「それで一つの国になったんや」
「だから連合王国だよな」
「そや」
 まさにという返事だった。
「あの国はな」
「そうだよな」
「兵の数は募集か銭で雇われた」
「そうした連中か」
「大体な」
 そうなっているというのだ。
「それで集められた兵で装備はええ」
「武器とか鎧はか」
「水軍はでかい船が多くてな」
 美奈代はこちらの軍の話もした。
「そして陸軍はな」
「どんな感じだよ」
「兵は大体七万や」
 数の話もした。
「それをテルシオで動かしてくる」
「テルシオってあれだよな」
 その言葉を聞いてだった、久志はすぐに言った。
「兵隊を密集させたな」
「そうした方陣や」
「槍持った兵隊が集まってな」
 そうしてとだ、久志はさらに話した。
「周りに銃とか術を使える兵がいる」
「方陣の四隅にもおってな」
「前に動かしてな」
「敵をその方陣で押し潰すみたいに攻める」
「そうした陣だったな」
「それを使ってな」
 その様にしてというのだ。
「戦うんだよ」
「それがテルシオだな」
「大砲も結構持っててな」
 こちらの火器もというのだ。
「それを最初に撃ってな」
「そこからそのテルシオを幾つも用意して攻めてな」
「戦うんや」
「それが連合王国の戦術か」
「強いで」
 美奈代は一言で言った。
「正直」
「だろうな、その連合王国との戦いか」
「どう戦うか」
 剛も言ってきた。
「一体ね」
「ああ、水軍は敵の大型の船、ガレオン船とかだな」
「それを破ってね」
「そして陸はな」
「テルシオをね」
「破らないと話にならないな」
 久志も剛に応えた。
「どうにも」
「そうだよね」
「方陣か、俺達も使ってきたけれどな」
 それでもとだ、久志は腕を組んで述べた。
「けれどそんなとんでもない方陣はな」
「組んだことないしね」
「相手にしたこともな」
「なかったね」
「ちょっと言うな」
 久志はここでこう前置きした。
「テルシオについて」
「そうするんだね」
「おさらいみたいにな」
 久志はこう前置きもした。
「話すな」
「それじゃあね」
「まずな、槍を持った歩兵を百人で横隊にして」
 久志は実際にテルシオの陣の編成について話した。 
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