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ドリトル先生の林檎園

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第十一幕その九

「その中で活躍したんだ」
「武田家の軍師として」
「それで信玄さんを助けてきたけれど」
「川中島で、ですね」
「作戦の失敗の責任を取る形で命を賭けて戦って」
 そしてというのです。
「壮絶な戦死、討ち死にを遂げたんだ」
「壮絶な」
「物凄い戦い方だったと伝えられているよ」
「勘助さんも武士だったんですね」
「立派なね、武士は潔く自害するか」
「勇敢に戦って討ち死にする」
「そのどちらかが名誉だから」
 それでというのです。
「勘助さんは死んだんだよ」
「この川中島で」
「そうだったんだ」
「ここは勘助さんや多くの人の墓標でもありますね」
「そうでもあるんだ」
「そう思うと感慨がありますね」
「そうだね、じゃあ最後はね」
 川中島を出る時はというのです。
「ここで戦い死んだ人達に手を合わせようね」
「そうだね、冥福を祈ってね」
「もう何百年前のことでも」
「それでもね」
「手を合わせて」
「それで冥福を祈ろうね」
「仏教では生まれ変わるし神道では黄泉の国に行くけれど」
 動物の皆も言うことでした。
「仏教では死んでから六つの世界に行くし」
「極楽だったり地獄だったりするけれど」
「その死んだ後でね」
「穏やかに暮らせる様に」
「その為にね」
「そうしようね」
 是非にと言う先生でした、そしてです。
 皆は先生と一緒に川中島で戦って死んだ人達のご冥福を祈って手を合わせました。そうしてでした。
 その後で川中島を後にしました、そうしてまた温泉で楽しみますが先生は今はサウナに入っています。
 そこで一緒にいる皆に言いました。
「いや、今日もね」
「凄くいい学問になったね」
「千曲川に川中島を巡って」
「そうしてね」
「本当にいいフィールドワークになったわね」
「先生も満足しているわね」
「心からね」 
 実際にとです、先生は皆に答えました。
「そうなっているよ」
「そうだよね」
「この長野県でも色々巡ってね」
「そして食べて飲んで」
「人とも会って」
「最高だったね」
「うん、何か僕には」
 まさにというのでした。
「色々な出来事が来るね」
「出来事の方からね」
「そうなってるね」
「毎度のことでね」
「この長野県でもね」
「そうなってるね」
「そうだね、それと」
 ここでまた言う先生でした。
「明日にね」
「神戸だね」
「神戸に戻るね」
「いよいよ」
「そうなるね」
「そうなるよ、長い旅だったけれど」
 それでもというのです。 
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