レーヴァティン
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第百三十八話 湖沿岸部その四
「倒してな」
「そしてですね」
「そのうえでな」
さらにというのだ。
「地中湖の統一だよ」
「それが先決ですね」
「地中湖を統一すれば」
それによってとだ、久志はさらに話した。
「そこでの交易の利益が全て手に入るからな」
「だからですね」
「ああ、ここはな」
「地中湖の掌握ですね」
「それだな、というか水軍とか水運がな」
こうしたものはともだ、久志は話した。
「凄い重要だな」
「何を今更って話だぞ」
芳直はソーセージにかぶりつきつつ久志に言った。
「俺っちにしてもだろ」
「ああ、バイキングとしてだったな」
「その水運で生きてきただろ」
「そうだったな」
「湖とか川をどう使うか」
「それがだよな」
「大事なんだよ」
「そうだよな」
「それが出来てこそな」
まさにというのだ。
「国がやっていけるんだよ」
「水運に縁が深い国ならか」
「そうだよ、ましてこの半島はそうだろ」
「ああ、三方が海でな」
それでとだ、久志は芳直に話した。
「地中湖全体に行けるからな」
「だったらな」
「水軍も使ってか」
「この地中湖の水運を上手に使うとな」
それでというのだ。
「かなりの力になるんだよ」
「そういうことだな」
「だからな」
「これからもか」
「ああ、俺っち達はな」
「地中湖を完全に掌握してか」
「そして地中湖の力を使ってな」
その水運と水軍のというのだ。
「戦っていくんだよ」
「それが大事ってことだな」
「ああ、だからいいな」
「これからもだよな」
「そうして戦っていくからな」
「わかったぜ、じゃあな」
「俺っちも戦略としてな」
芳直は赤ワインをぐい、と思いきり飲んでから久志に話した。
「連合王国や諸都市群を掌握することはな」
「賛成なんだな」
「ああ、皇帝親征でな」
「皇帝のか」
「つまりお前のな」
久志自身を見ての言葉だった。
「そうなるな」
「皇帝になると凄いな」
「何かと重みがあるな」
「ああ、冠被るだけじゃないんだな」
こうもだ、久志は言った。
「そこに重み、権威が出来るんだな」
「皇帝は王様の上に立つからね」
留奈も言ってきた。
「それならね」
「重みがあるよな」
「複数の民族、宗教の上に立って」
そしてとだ、留奈も羊肉を食べつつ話した。
「一つの文明の代表者」
「そうした意味もあるからにはな」
「やっぱり重いよ」
「どうしてもそうなるか」
「実際私達が起きた世界でもそうじゃないか」
「天皇陛下か」
「陛下は今世界で唯一の皇帝であられるね」
英訳すればエンペラー即ち皇帝となる、それで留奈は今は天皇と言わずあえて皇帝と呼んだのである。
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