レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百三十八話 湖沿岸部その二
「いい匂いだからな」
「そうだよね」
「だからこうしてな」
「今も食べてるんだよね」
「ああ、マトンにしてもな」
今久志が食べているのはマトンだ、羊の肉の匂いがするというのはそのマトンのことであるのだ。
「匂いがな」
「いいよね」
「そうだよな」
「だからだよね」
「今も食ってるしな」
「羊肉っていいんだよね」
剛はこうも言った。
「食べると身体の脂肪燃やしてくれて」
「つくんじゃなくてな」
「しかもね」
それだけでなくというのだ。
「カロリー少ないし」
「安いしな」
「もうこんないいお肉って」
「そうそうないよな」
「だからね」
清音はそのマトンのあばら肉を食べつつ言った。
「日本以外の国じゃね」
「結構食ってるよな」
「美って漢字もよ」
「元々羊からきてるよな」
「そうよ、美味しいだけれど」
「羊が美味いからだよな」
「昔の中国じゃ最高のお肉だったから」
春秋戦国時代の頃のことだ。
「その頃から美味しいって言われてて」
「それでだよな」
「この浮島にしても」
「よく食ってるんだな」
「そうよ、私達もそうで」
「街や村でもな」
「豚肉や鶏肉と並んでね」
それと共にというのだ。
「食べてるのよ」
「そうだよな」
「だからね」
「羊を食うことはいいか」
「そうよ、こうして羊を食べて」
それでとだ、清音は今度はワインを飲んで言った。
「ワインも飲む」
「これがいいんだな」
「日本じゃあまり食べないけれどね」
「日本で食うお肉ってな」
どうかとだ、久志は話した。
「牛肉に豚肉、鶏肉だからな」
「そういうのが主で」
「羊はな」
マトンにしてもラムにしてもというのだ。
「あまりな」
「食べないのよね」
「美味いのにな」
「馴染みなくて」
それでというのだ。
「食わないよな」
「本当に」
「それと」
清音はさらに言った。
「チーズもね」
「チーズは今の日本でもあるけれどな」
「これもあるのが嬉しいよね」
「それな、チーズはな」
どうかとだ、久志は清音のその言葉についても頷いた。
「何時でも食えてな」
「こうした飲む時でもね」
「ワインに合うしな」
「丁度いいわ」
「じゃあこっちも食うか」
チーズも見てだ、久志は笑って言った。
ページ上へ戻る