仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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第二部~雅、結婚騒動~
EPISODE23『英雄の凱旋』
「雅か。オレは平気だ。思い出のバックアップをインストールした負荷が来ただけだ。」
「あら、案外しょぼい歌なのね。」
「さあ、奏でろ!」
「翼、立ち上がりなさい!そして、夢に向かって羽ばたきなさい!」
「この身が剣?違う。この身は未来へ向かって羽ばたくもの。翼だ!剣殺しでは、この翼を折ることは出来ない!」
「ふふふ、しっかり聴かせてもらったわ。ダインスレイフの呪われた旋律。これであと一つね。」
ファラは不適な笑みを浮かべる。
「呪われた旋律?どういうこと!?」
マリアは言う。
「私達が負けることに、何の意味も無いと思ったのかしら?」
「どういう意味だ!」
ファラの言葉に翼は質問する。
「そうね、いい歌を聴かせてもらったお代に教えてあげるわ。イグナイトモジュールによって歌われる旋律。それを私達が受け止めることでチフォージュ・シャトーは真の力を発揮するのよ。さて、彼がそろそろ最後の一人を引きだそうとしているでしょうから、私はここら辺で退場させてもらうわ。」
ファラはそう言って爆発し、辺りに粉塵が舞う。
「翼、クリスに連絡を!」
マリアはギアを装着している翼に言う。
「駄目だ!通信が妨害されている!」
翼は通信を遮られてしまう。
その頃、深淵の竜宮ではレイアと、雅がカメンライドしたディロードG4を相手にクリス、切歌、そして調は苦戦していた。
「どうした?イグナイトモジュールは使わないのか?」
ディロードG4はGM-01で威嚇射撃を行う。
「行こう、切ちゃん。」
「わかったデス!」
「「イグナイトモジュール、抜剣!」」
切歌と調はイグナイトモジュールを起動させる。
「どうした?一人だけイグナイトモジュールを使っていないな。もしかして、まだ使いこなせないのか?もうお前一人だけだぞ。使いこなせないのは。」
「うるせえ!」
クリスはがむしゃらに撃つが、ディロードG4は軽く避ける。
「結局お前は一人孤独の身。頼られても、温かい場所を貰っても、それが受け容れられない。何時まで経っても独りなんだ。」
ディロードG4は挑発する。
「言ってくれるじゃねぇか。イグナイトモジュール、抜剣!」
クリスはイグナイトモジュールを起動させる。しかし、クリスはその黒いオーラに蝕まれ、もがき苦しむ。
「アタシハ…アタシハ…」
「結局、一人で戦う覚悟も無いのか。」
もがくクリスを見てディロードG4は言うが、
「先輩は、一人じゃない!」
「私達が付いているデス!」
調と切歌がクリスの手を握る。
「ソウダ…アタシは…一人じゃねぇ!私には、もう沢山の人がいるんだ!」
クリスはダインスレイフの呪いに打ち勝ち、その力をコントロールする。すると、
「漸く使えるようになりましたか、クリスさん。あなたが最後でしたよ!」
ディロードG4は変身を解除し、ロードスラスターでレイアを撃つと、クリスの方につく。
「おい、なんのつもりだ!?」
「詳しい話は後で話します!僕は奴らの味方の振りをして、皆さんがイグナイトモジュールを使えるように助力していました。ですが、これで全員イグナイトモジュールを使えるようになりましたので、もう奴らと行動する理由はありません。」
【KAMEN RIDE-LAZER X-】
雅は仮面ライダーレーザーXを召喚する。
「どういうつもりだ!?」
レイアは驚く。
「おいおい。こいつは他所の世界の為に自分の命をかけられるような奴だ。もしかして、知らないのにノせられちゃった?」
レーザーXは煽るように言う。
「貴利矢さん、クリスさんと協力してレイアの撃破をお願いします。僕はキャロルを…」
雅が話していると、
「オレをどうするつもりだ?」
キャロルが現れる。
「君の悪事を砕くことが、僕の本当の使命だ。君を倒させてもらう。」
【CHANGE RIDE-BUGGLE DRIVER Ⅱ-】
雅はディロードライバーをバグルドライバーⅡに変える。
《KAMEN RIDER CHRONICLE》
「変…身!」
雅はガシャットを起動させて手を離すと、ガシャットはドライバーに自動でセットされる。
《ガシャット…バグルアップ!♪天を掴めライダー!ウォー!刻めクロニクル!今こそ時は、極まれり!ウォー!》
雅は仮面ライダークロノスに変身する。
「行くぞ!」
クロノスはガシャコンキースラッシャーとガシャコンパラブレイガンを出現させてキャロルに斬りかかる。しかし、キャロルは土の錬金術を使って盾を展開し、それを防ぎきる。
「これならどうだ!」
クロノスはガシャコンマグナムを出現させて撃つが、キャロルは風の錬金術を使い、エネルギー弾を弾く。
「仕方がない!」
《PAUSE…》
クロノスは戦闘区域の時間を停止させるポーズ機能を使い、キャロルに近づく。
《KIMEWAZA…CRITICAL CREWS-AID》
クロノスは必殺の逆回し蹴りをキャロルに放ち、
《RESTART…》
時間停止を解除する。すると、キャロルは水になって消える。
「やはりそういうことだったか。」
広間からキャロルが現れる。
「キャロル!?」
「ヤントラ・サルヴァスパ、確かに頂いた!」
キャロルはヤントラ・サルヴァスパを高らかに見せる。
「へぇ、それがあんたにとって必要なものなんだ?」
レーザーXはそう言うと、ガシャコンスパローの矢でヤントラ・サルヴァスパを破壊してしまう。
「くっ!」
キャロルはレーザーXを睨みつける。
「キャロル、大人しくしてもらおうか。」
クロノスはガシャコンブレイカーを構える。
「レイア、いけるか?」
キャロルはレイアに聞く。
「少々派手にやりましょう。妹よ!!!」
レイアが叫ぶと、深淵の竜宮の入り口から巨大な腕が伸びる。
「ちっ!ちょせぇんだよ!」
クリスはキャロルが逃走することを察知してミサイルを放つMEGA DETH PARTYを発動し、キャロルのいた所の壁は完全に粉砕される。そして、その煙が晴れると、左手から、言葉通りクリスの放ったミサイルを捕食している男性がいた。
「久しぶりの聖遺物。とても甘くて癖になる。」
その男はミサイルを捕食しきるとそう言う。
「まさか…」
「嘘でしょ…」
切歌と調は驚く。
「ノンノンノン。嘘じゃない。そう!僕こそ、真実の人。英雄!ドクターウェル!」
目の前にいた男は、かつてマリア達に助力しつつも、己が英雄になるという野望を掲げて聖遺物の一つと融合したマッドサイエンティスト、ウェル博士であった。
「なんでてめえがここに!」
クリスは銃を向ける。
「なんでも何も、君たちは僕が世界を救ったフロンティア事変を無かったことにした!そして、ネフィリムと一体化している僕は、ネフィリムにくっついている付属品として、この深淵の竜宮の中に幽閉されていた!」
ウェル博士は事実を言う。
「ドクターウェル、話は知っている。オレに協力しないか?」
キャロルはウェル博士に質問する。
「なにやら面白そうだね。どうせここにいても退屈だ。ここは派手にやろうではないか!英雄の凱旋を!」
ウェル博士は高らかに言い、謎の巨大な腕はウェル博士とキャロルを掴むと、消えてしまう。
「取り逃したか!」
クロノスは悔しがる。
「ま、とりあえず目の前のあいつを片付けよう。」
レーザーXはガシャコンスパローを鎌モードに切り替えてレイアに斬りかかるが、レイアはジャズダンスの動きで避ける。
「ここは私に任せろ!」
クリスはそう言うと、イチイバルをロングライフルに変える。
「ここでライフル!?」
レイアは狭い場所に適さないライフルを握るクリスに驚く。すると、
「撲るんだよ!」
クリスはイチイバルをレイアに叩きつけ、レイアは地面に転がる。
「あんた、中々おもいきりがいいじゃん。んじゃ、ウィニングランを決めようぜ!」
《KIMEWAZA!BAKUSOU!CRITICAL FINISH!》
レーザーXはガシャコンスパローを弓モードに戻して必殺技を発動する。
「オッケー!」
クリスもイチイバルを弓に変える。そして、二人のエネルギーの矢の弾幕、CRITICAL GIGA ZEPPELINがレイアを撃ち抜き、レイアは撃破される。すると、深淵の竜宮は異様に揺れる。
「皆さん、恐らく海流に呑み込まれます!脱出しましょう!」
変身を解除した雅はクリス達に言う。
「あんた、何者だ?」
「紹介が遅れました。僕は凪風雅。次元保護国という異世界からこの世界を救いに来ました!」
雅は軽い自己紹介をし、クリス達と脱出する。すると、海上にはレイアと同型の巨大なヒトガタ、レイアの妹が雄叫びを上げていた。
「おい、まじかよ…」
クリスは唖然とする。しかし、
「一気に行きますよ、クリスさん!」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変え、オーズ タジャドルコンボに変身すると、赤いコアメダルを3枚セットして空を飛ぶ。
「お、おう!」
クリスは巨大なミサイルに2機セットする。
〔ギガスキャン!〕
オーズはタジャスピナーのメダルをスキャンし、必殺技のマグナブレイズを放ち、クリスはオーズによってレイアの妹に作られた風穴に巨大なミサイル、MEGA DETH FUGAを放ってレイアの妹を撃破。これによって、全てのオートスコアラーは撃破される。
「今まで、敵の振りをして、済みませんでした!こうでもしないと、皆さんがイグナイトモジュールを使える未来が確定しなかったので!」
雅はクリス達に事情を話す。
「何がなんだか解らねえけど、とにかく本部に来てもらうぞ。」
クリスに言われた雅は、装者達に連れられてS.O.N.G.の司令室に入る。
「お前は!?」
翼は警戒する。
「風鳴司令、この度は貴方が抱えている優秀な戦士達に危害を加え、事件の進行を進めたこと、ここでお詫び申し上げます。」
雅は深々と礼をする。
「それで、君は一体何者なんだ?」
弦十郎は質問する。
「僕は凪風雅。世界の歴史を護る為に戦う、仮面ライダーディロードです。」
「仮面ライダー?」
雅の言葉を聞き、一同は困惑する。
「それで、世界の歴史というのは、一体なんだ?」
「僕の世界は、今は本来あるべき歴史から外れた世界を観測し、それを元に戻す使命があります。この世界は、皆さんがイグナイトモジュールを使えないと、この世界は未来が紡がれることが無く崩壊してしまいます。その為にも、僕が一芝居打つことにしましたが、これでこの世界は正しく進む準備ができました。」
「だからか。初めて私と会った時に、逃げるように言っていたのは。」
クリスは納得する。
「じゃあ、あの時に私達に言った言葉は…」
「私達に大切なものを気づかせる為だったんデスね!」
調と切歌も納得する。
「雅、あの歌の真意はそういうことだったのか…」
翼も納得する。
「ちょっと、私だけ仲間外れ!?」
マリアはショックを受ける。その時、司令室に俯いた響が入ってくる。
「ッ!あなたは!?」
響はペンダントを取り出す。
「響君、彼は敵ではない。それよりも、大丈夫か?」
弦十郎は響の表情を見て心配する。
「えっと…」
響は言葉に詰まる。話は、少し遡る。
クリス達がレイア達と交戦している頃、響は失踪していた父親、晄に会っていた。
「なあ、やっぱり元には戻れないか…」
晄は言う。
「そう思うなら、なんで一番大切な時に逃げたの!?」
「それは…あっ、それよりお願いなんだけど。」
「何?」
「実は今お金が無くて、払っておいてもらえるかな?」
晄は響にずうずうしく言う。
「…もう知らない!」
響はそう言って喫茶店から出ていってしまう。
「いや、深くは聞かないでおこう。」
弦十郎は言う。
「凪風さん、私達の歴史を護るなら、私と父さんの再会も、護られるべきものなの!?」
「響さん、守護者である僕からは、答えることは出来ない。これから起こる大きな事件は全て。もし話せば、きっとこの世界は歪んでしまい、崩壊してしまいます。ですが、会って傷ついたのなら、それはきっと、響さんにとって必要な経験のはずです。響さんの始まりの為にも。」
雅の言葉に、響は泣くことしか出来なかった。
英雄の凱旋
次回予告
全ての舞台は、きっとこの日の為にある。少女の嘆きを、終わらせるために。大切なものの手を、掴む為に。次回『終焉の追走曲』
後書き
新カード紹介
仮面ライダーレーザーX:仮面ライダーレーザーXを召喚する為のカード。
バグルドライバーⅡ:ディロードライバーをバグルドライバーⅡに変えて、対応するライダーに変身する為のカード。使用ガシャットによってライダーが自動でセレクトされるため、個別のカードは無く、共通のカードで変身する。
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