ドリトル先生の林檎園
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第十一幕その三
「内政に力を入れていたからね」
「それで川に堤防を築いたんだよね」
「色々な作物とかを植えさせたり」
「金山も開発してね」
「それで豊かになったんだったね」
「そうだよ、そして江戸時代もね」
この時代もというのです。
「どの藩も内政に熱心で」
「それでだね」
「こうしてだね」
「千曲川の方も立派な水田が続いていて」
「見事なのね」
「そうなんだ、林檎は明治以降だけれど」
その頃から栽培をはじめたものでもというのです。
「お米はね」
「違うよね」
「昔からあって」
「それで開墾されていって」
「堤防とか灌漑もしっかりやって」
「豊かになったのね」
「そうだよ、そうなったからね」
だからだというのです。
「今のこの水田地帯もあるんだよ」
「成程ね」
「これはいいことだね」
「戦国時代も戦ばかりじゃなくて」
「ちゃんと政治もしていたんだから」
「だから戦は続いていても」
それでもというのです。
「立派な田畑が出来ていったんだ」
「それに日本の戦いは武士同士のもので」
トミーが日本の戦いについてお話しました。
「人や田畑には殆ど被害が出なかったんですよね」
「うん、それどころか観戦さえもね」
戦いをというのです。
「していたから」
「ちょっと離れたところで」
「関ヶ原の戦も近くの山でね」
近所のお百姓さん達がそこに入ってというのです。
「観戦をしていたんだ」
「そうでしたね」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「軍勢もね」
「その民衆にですね」
「危害は加えなかったから」
そうだったというのです。
「だからね」
「田畑もですね」
「危害はね」
それはというのです。
「戦で踏み荒らされても」
「そうしたことはあっても」
「欧州とかね」
「ああした地域の様にですね」
「焦土にされることもなくて」
それでというのです。
「酷くもならなかったんだよ」
「いいことですね」
「だからね」
それでというのです。
「何処かのどかだったんだ」
「日本の戦国時代は」
「そして特に信玄さんはね」
この人はといいますと。
「戦いよりも内政に熱心で」
「それで、ですね」
「この長野県も」
当時は信濃といいました。
「しっかりと治めていたんだよ」
「そうした意味でも凄い人だったんですね」
「内政については」
本当にというのです。
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