虹を掛けるために
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1.物語は突然に
「全く…あの野郎…いきなりお台場に転校とか…急すぎるだろ…」
と僕は、数時間前の事を思い出す。
「つっきーは明日から虹ヶ咲学園に通ってね」
とか言われ…あっという間にお台場に来ていた。
あの金髪お嬢様、次出会ったらなんかいたずらしてやろう。
「とりあえず…話は通ってるって言っていたから職員室行くか」
と校門前でずっと立ってるので、周りにいる生徒から見られている。
***
「貴方が、転校生の十川月君ですね?」
「そうですね…僕の知らない内に、話が進んでいて…まだ整理が落ち着いてないですけど…」
こうなった原因は、あの金髪のせいだけど…
「そうみたいですね、私も急に聞かされたのでびっくりしていますがよろしくお願いしますね」
「あはは…来てしまった以上はやるしかないですよ…」
「頑張ってくださいね。私は、中川菜々です。この学校で困ったことなどがあれば気軽に来てくださいね」
と生徒会長の菜々さんとそんな話をして、生徒会長室を出る
「ひとまず、生徒会長さんがいい人そうで良かったよ…」
まぁ…あの理事長がいるって事を知ってるから、ちょっと変な奴がいても気にしないけどさ…
「見て見て、あの子が転校生だよ!」
「すごいイケメン!彼女とかいるのかな」
生徒会長室を出て、廊下を歩いているのだが…教室の中からそんな声が聞こえてくる。
はぁ…こういうのが苦手なのに…明日、大丈夫かな僕…
***
「今日から…マンション暮らしか…」
今日から過ごすマンションを見てそう呟く僕。
まぁ…昨日までホテルで過ごしていたからそう思っても仕方ないか…
「家賃は鞠莉が出してくれるみたいだからやるしかないよね…」
とか思っているとスマホが鳴り始めて
「非通知…?」
非通知だから、変な電話だったらどうしようと恐る恐る電話に出る。
「はい、十川ですが…」
「私です。菜々です」
「菜々さん?どうして僕の連絡先分かったんですか?」
「ごめんなさい…どうしても伝えたいことがあって、先生に頼んで連絡先教えてもらって、私のスマホからかけてます」
「そうだったんですか、それはいいんですけど、伝えたいことってなんですか?」
「そうでした!明日、学活の前に生徒会長室に来てもらってもいいですか?」
「どちみち、職員室に寄らないといけない用事があるのでいいですよ」
「分かりました!では、その前に来てください。それと私の事、菜々って呼んで下さい」
「いきなり呼び捨てはきついというか…なんというか…」
「そうですよね…無理にとは言いません…言えるようになった時で構いません。では、明日待ってますね」
と菜々さんは電話を切る。
「さてと…菜々さんの連絡先登録していいのか…?」
菜々さんの連絡先を登録するべきかしないべきかを考えていたら12時を回っていて、慌てて寝る僕なのだった。
***
「朝早くに来てもらってごめんなさい…」
次の日の朝、僕は生徒会長室へと来ていた。
「どうしても確認しておきたいことがあって」
「いいですよ、なんでも聞いてください」
「…十川君ってAqoursのマネージャーをやってて、小原鞠莉さんが婚約者で合ってますか?」
「…えっ?」
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