ヘタリア大帝国
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TURN29 開戦前夜その九
「ソビエトは絶対に潰すわよ」
「ああ、腕が鳴るよ」
来たるべき戦争に向けだ。実際にアメリカ妹はその指をボキボキと鳴らしていた。ガメリカもまた戦争を待っていた。戦争は刻一刻と近付いていた。
カテーリンはミーシャとロシアに自分の執務室の机、学校の生徒の机そのままの席からだ。こう言っていた。二人はカテーリンの前に立っている。
「軍の増強よ。絶対にドクツは来るから」
「うん。ゲーペ先生もそう言ってたしね」
「あの国とは戦いになるね」
「とにかく勝てる為に何でもしないといけないから」
カテーリンは書類にサインをしながら二人に話していく。
「艦艇も増やして。軍人も予備役を現役に戻して」
「けれど定年の人はどうするの?」
「その人達は老人ホームだから」
このことは変わらないとだ。カテーリンはミーシャにすぐに返した。
「そういうことでね」
「うん。じゃあね」
「ジューコフさんがいる間に戦争が終わればいいね」
ロシアはわりかし切実な感じでカテーリンに話した。
「ドクツとの戦争は」
「ドクツだけじゃないから」
それから先もあるとだ。カテーリンは厳しい、子供の顔をそうさせて言った。
「太平洋よ。何あそこ」
「あそこはとんでもない国ばかりだよね」
「日本もガメリカも中もよ」
カテーリンは自然にその顔をぷりぷりとさせてきていた。そのうえでの言葉だった。
「あの三国は絶対に許せないから」
「だから次はなのね」
「そう。懲らしめるから」
ドクツとの戦争で終わりではないというのだ。
「ドクツに勝ったらあの三国をやっつけるからね」
「うん。そうだね」
「僕もそれでいいと思うよ」
ミーシャとロシアもカテーリンの意見には反対しなかった。
「共有主義を広めないと駄目だからね」
「是非共そうしよう」
「そう。共有主義に反対するなんて許せないから」
カテーリンはだからだと述べていく。
「帝とか資本家とか全部更正よ」
「そうだね。そうしよう」
「日本君達も全員ソビエトに入れようね」
ロシアの笑みがだった。ここでだ。
何か威圧感のある暗いものになった。その笑顔でこう言うのだった。
「あの三人とはこれまで色々あったけれど。家族だよね」
「祖国君が教育してあげてね」
カテーリンは真面目な顔でロシアに告げた。
「期待してるんだからね」
「そうしてね。それじゃあね」
「うん、じゃあね」
カテーリンはロシアにこう話した。そしてだった。
ミーシャにはだ。こう言うのだった。
「ミーシャちゃん、何か聞いた話だけれど」
「どうしたの?」
「ニガヨモギだけれど」
「あの大怪獣?」
「あれ、コントロールできるって本当なの?」
かなり興味深そうにだった。カテーリンはミーシャに尋ねていた。
「四国じゃ大怪獣と人が一緒に暮らしてるそうだし」
「ああ、あのことね」
「うん。四国に送っている諜報員から連絡があったけれど」
「それいけそうだよ」
あっさりとだ。ミーシャはこうカテーリンに答えた。
「巫女を使えばね」
「あそこの原住民の巫女を?」
「そう。あの娘の力を使えばね」
「じゃああいつの出番なの?」
カテーリンはミーシャの話を聞いているうちに憮然とした顔になった。
そしてそのうえでだ。こう言うのだった。
「あいつのあのクローン技術で」
「あれなら髪の毛一本あればクローンが造られるからね」
「それはわかってるけれど」
だがそれでもだとだ。カテーリンはその憮然となった顔でミーシャにこう話した。
「私あいつ嫌い」
「じゃあニガヨモギはそのまま?」
「それは駄目。あの力とスノーさんの力があれば」
どうかというのだ。
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