ワールドトリガー~希望の架け橋~
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第4話
9月1日、2学期が始まる。
しかし、六頴館の校舎内では何やらすごいざわついていた。
そして、特に2-Bで一番大騒ぎになっていた。
「おい、このクラスに今日転入生が入ってくるらしいぞ!!」
「え、マジ!?」
「先生がその話をしていたから間違いねぇよ」
「え?てことは編入試験をクリアしたってことだよな?」
「あの、激ムズと言われる?」
「確か、ここ3年間編入試験を合格できた人っていなかったよな」
「しかも!その転入生ってすべての教科オール満点だったらしいぜ。先生たちもどよめいてたし」
「まじかよ!?」
「てことはがり勉ってこと?眼鏡かけた。」
「おいおい。それは偏見すぎるだろ」
ハハハハ
ホームルーム前終始転入生の話題で持ちきりだった。
そしてこのクラスのボーダー隊員である奈良坂透はその会話を耳で聞き流しながら机に座って読書をしていた。
「おはよう。奈良坂君」
「三上か。おはよう」
声をかけたのは三上だ。風間隊のオペレーターでありみんなのお姉さん的存在だ。
「なんかすごいことになってきたね。」
「あぁ、この学校で転入生は珍しいことだからな。」
「自分に関係ないみたいなこと言って。奈良坂君の後ろの席空いてるみたいだから多分そこに座るんじゃないかな」
三上にそう言われた奈良坂が後ろを向くと確かに席が空いていた。
「・・・そうかもしれないな。そいつがわからないことがあれば教えるよ。」
噂通りなら教えるの楽そうだからな。自隊の槍馬鹿を思い浮かべながらそう口にする。
三上も奈良坂が誰を思い浮かべたのか察したのか苦笑いを浮かべて席に戻っていった。
ガラッ
「ホームルーム始めるぞー。席に就けー」
ガヤガヤしていたクラスが徐々に静かになっていく
「まず、もう噂になっているみたいだが今日からこのクラスに新しい仲間が加わる。みんなも仲良くするように!!」
では入ってこい!
先生の言葉通り一人の少年が入ってきた。
「「「「「おぉーーーーーーーー」」」」」」
「今日からこのクラスの一員になる神崎君だ。では自己紹介を」
「愛知から来ました。神崎海斗といいます。小5までは三門に住んでました。よろしくお願いします。」
パチパチパチパチ
「では神崎の席は・・・・・・奈良坂の後ろが空いてるな。そこに座ってくれ。」
「(奈良坂君は・・・・・あ、あそこかな)」
席を見渡してみると茶髪の少年が軽く手を挙げているのが見えた。おそらく奈良坂本人だと仮定し、そこに向かった。
「奈良坂君だよな。よろしく」
「奈良坂でいい。よろしく」
そのあとはすぐに始業式が始まった。
始業式が終わると再びホームルームが始まった。
「さて、ここで重大発表するぞー。明日なんだが抜き打ちで5教科の実力テストを行う!!」
「「「「「はぁ!!!!!!」」」」」」
「嘘だろ。」
「そんなんきいてねぇよ」
次々ブーイングが飛び出す中先生は動じずに
「範囲は夏休みの宿題の中が範囲になる。自力で解いてきたものはかなり有利だ。ただしめんどくさがって写したりしたものはしりませーん」
ハッハッハッハッハ
そんな中、海斗は
「(編入試験の次は実力テストか・・・・。俺どんな宿題が出てたか知らないんだけどな。)」
ホームルームも終わり休み時間中、海斗の周りには人だかりができていた。
「どうしてネイバーとか出てくるこの街にわざわざ戻ってきたんだ?」
「俺でも何かできるんじゃないかなと思ったからかな」
「てことはボーダーに入るのか?」
「あぁ、次の入隊式でな」
「そうなのか!?うちには奈良坂もボーダーだし。もう一人オペレーターがいるからこれで3人になるな」
「奈良坂、そうなのか?」
「あぁ、クラスだけじゃなくて。同僚としてもよろしく。」
「奈良坂君だけじゃないわ。私は戦闘員じゃないけどよろしくね。」
「君はたしか三上さん。」
「うん。よろしく」
こうして最初の学校日は終わりを迎えた。
ボーダー本部
本日もラウンジには多くの隊員であふれかえっていた。
なぜか今日に限って示し合わせたように、高校生の隊員が一堂に会していた。
話は普通校、進学校ともに明日実力テストが行われること、また、
それについて阿鼻叫喚になった人がいるのはご愛嬌だ。
そんなさなか、あの話題も飛び出した。
「そういや、今日転入生が入ったんでしょ?確か2年生だったと思うんだけど。」
「そういやそうだな。学校中が大騒ぎだったな。」
「そのおかげで鼓膜が破れかけたし」
「ハハハ、菊地原には辛かったな」
「で、どのクラスだったの?辻ちゃん?」
「いえ、自分のクラスでは・・・・たしか2-Bだったかと」
「てことは奈良坂と三上のクラスだったな」
「はい、自分の後ろの席に決まりました。」
「どんな奴だったの?」
「まだそこまで話したわけではありませんが、自分と話が合いそうでした。」
「性格もよさそうでしたよ」
それと
「4日の入隊式に参加するそうです」
それを聞いたほかの隊員たちは
「へぇーそれは楽しみだね」
と一斉にニヤリと笑った。
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