ヘタリア大帝国
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TURN26 親衛隊その七
「実にな」
「噂によれば生贄を捧げているそうよ」
「それも人間の」
「そういえば失踪事件も起こっているな」
ここからもだ。レーティアは察したのだ。
「謎のな」
「ええ、多分その失踪事件とね」
「ドーラ教は関係があります」
「なら余計に放ってはおけない」
レーティアは厳しい顔になり二人に答えた。
「ドーラ教は禁止だ。情報も集める」
「そしてそのうえで」
「対処していきましょう」
「生贄なぞというものを許してはならない」
理性的な統治者としてだ。レーティアはこう判断を下した。
「全く。まだそうした宗教団体があるのか」
「そうね。私もね」
グレシアもだ。そうした教団についてはだ。
眉を顰めさせた。そのうえでこうレーティアに答えた。
「まさか今時そんな邪教があるなんてね」
「太古に潰えた筈だ」
こうも言うレーティアだった。
「残っているとしても未開の地の筈だった」
「そうです。私もそうした教団が今もあるとは」
どうかとだ。ドイツ妹もレーティア達に話す。
「思いませんでした」
「私もだ」
「総統閣下もですね」
「正直驚いている」
「一応ヴォータン達も生贄を必要としていたけれど」
グレシアはこの神々のことにも言及した。
「それでもね」
「そうだな。それは廃れた」
「ましてどういった理由で生贄を要求するのかしら」
ドーラ教についてもだ。グレシアは考えていく。
「それも不明ね」
「どうせ碌な理由ではない」
レーティアは生贄ということからこう言い捨てた。
「どちらにしろ邪教だ。信仰の対象もだ」
「碌なものじゃないわね」
「確実にな。なら対処する」
こう言ってだった。レーティアはドーラ教への取り締まりも強化したのだった。ドクツではこうしたことが起こっていた。その時日本はというと。
「遅くねえか?幾ら何でもな」
「ああ、宇垣さんだね」
「あの人の帰還ですね」
海軍省の中で田中に南雲と小澤が応えていた。
「そういえば遅いね」
「まだ帰っていないのは」
「こんなに時間がかかるものだったか?」
田中は眉を顰めさせながら二人の同僚に言う。
「ガメリカからこっちに帰るまでな。事故とかじゃねえよな」
「事故だったらすぐに連絡が来るよ」
南雲はこう言ってその可能性は否定した。
「それに外交団は何隻も行ってるんだよ。一隻や二隻何かあってもね」
「大丈夫ですから」
小澤も言う。
「若し宇垣さんの乗艦に何かがあっても」
「あのおっさんもす簡単に死ぬ様なタマじゃねえか」
「若し何かあれば」
たまたま海軍省に来ていた平賀も言ってきた。ただし頭にいる久重が代弁している。
「改造手術を施すから安心していい」
「おい、サイボーグにするのかよ」
「外相は是非そうなるべきだ」
久重は平賀の言葉をそのまま代弁していく。
「私がそうする」
「何かあればかよ」
「楽しみにしている」
平賀は表情を変えない。一見すると喋っているようにすら見えない。
だが久重がだ。こう言うのだった。
「とのことです」
「そうか。そうなんだな」
「そうです。ただ私が思うんですが」
久重は自分の考えをだ。田中に述べてきた。
「田中さんもどうですか?」
「俺もサイボーグになれってのかよ」
「はい。そうすればあの女好きの長官に勝てるかも知れませんよ」
「馬鹿言え、俺は俺の力で戦って勝ち取るからな」
「長官の席をですか?」
「ああ、絶対にな」
こうだ。田中は威勢のいい言葉で言う。
「奪い取るぜ」
「頑張れ」
こう言ったのは平賀だがやはり久重の代弁である。
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