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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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お正月

 
前書き
時系列は無印前 

 
ブイモンは座布団に座り、普段より引き締まった表情を浮かべていた。今日のブイモンは人間の着物、袴を着て正座をしていた。

「明けましておめでとう!!今年もよろしくな!!」

ブイモンが現実世界に来てから約三年。これから新しい一年が始まろうと言うのだから本当に早いものである。

「明けましておめでとうブイモン!!着物似合ってるよ」

ヒカリも今日も本宮家にお邪魔していた。桃色の着物でヒカリにとても似合っている。

「ふふん、人間の着物なんて初めてだけど意外にもこれ着心地がいいな。」

因みにブイモンの尻尾は出るように改良されている。

「おーい、ヒカリちゃん。ブイモン。手伝ってくれ!!」

「チョコの匂い?」

「来た!来た来た来た来たー!!」

大きめの容器とフルーツと餅を載せたお盆を持った大輔がヒカリとブイモンに救援を求めた。

ヒカリとブイモンのサポートもあり、無事にテーブルに置くことに成功した。

「だ、大輔君…こ、これは!?」

「…………ふっ」

ヒカリが溶かした温かいチョコとフルーツの盛り合わせ、そして餅を見て目を見開き、大輔は不敵な笑みを浮かべた。

「今日の正月は…チョコフォンデュだぜえ!!」

つまり餅と果物をチョコフォンデュで食べると言うことなのだろう。

「まだまだ終わりじゃない。お正月と言えばお年玉。はい、ヒカリちゃんの分」

「え?私の分もあるの?」

「勿論よ、ヒカリちゃんも最早うちの子同然。お年玉を貰う資格は充分過ぎるくらいあるわ」

大輔の母が大量の…合計30枚の板チョコをブイモンに差し出した。

「はい、ブイモンのお年玉。3000円分の板チョコよ」

「イィィヤッホォオオウ!!やったぜー!!」

「お金じゃないんだ…あ、3000円…」

「ブイモンはデジモンだからお金をやっても店で買い物出来ないしな…あ、俺も3000円だ」

大輔とヒカリはお年玉の中身は千円札三枚…3000円である。

「3000円ですってえ!?私なんて半分の1500円よ!?おかしいでしょうがそれ!?」

大輔とヒカリとブイモンのお年玉の金額差にジュンが母親に食いつく。

「…この間、炒飯を作ろうとしてキッチンを爆発させたのは誰だったかしらねえ?」

「…だ、だだだ誰かしらねえ?キッチン破壊したのはブイモンじゃないの?」

「おい、ふざけんな女子力0人間。炒飯くらい俺でも作れるわ」

「そう言えば…しばらくの間……」

ヒカリが最近のことを思い返すと、しばらくの間、キッチンに入ることが出来なくなり、カセットコンロで料理することになっていた気がする。

それにしても炒飯作りでキッチン破壊とはどうやったらそんな奇跡を起こせるのやら。

「ねえ、ジュン。あんたは大輔に色々言ってるけどそう言うのは家事の一つくらいは完璧にこなしてから言いなさい?料理をすれば良くて炭、悪ければ暗黒物質を生成し、洗濯をすれば洗濯物をきっちりネットに入れるべき物を入れずにして洗濯物を台無しにしたり、掃除をすれば部屋が掃除する前より汚れている有り様。何であんたより6つも年下の大輔やヒカリちゃん。人間ですらない、この世界に来るまで家事経験0だったブイモンの方が家事をこなせるのよ?大体羨ましがるならね…」

長々と説教する本宮母。

この説教は軽く一時間は越えた。

どうやら近い未来で発揮される大輔の説教時間の長さは母親から受け継いだ模様。

「まあ、とにかく。チョコフォンデュ食おう!!」

「頂きます!!」

ヒカリは餅をフォークで刺してチョコに付ける。

そしてチョコを付けた一口サイズの餅をパクリ。

「どうだヒカリ?美味いか?」

「美味しい!!」

「正月の餅をチョコフォンデュで食べるの俺達くらいだろうな~」

「果物も食べなさいね?」

「「「はーい」」」

「お母さん…私も食べたいんだけど…」

「あんた、何を勘違いしてるの?私のお説教フェイズはまだ終了してないわよ」

「orz」

餅だけでなく果物も食べるように注意するとジュンも食べたいのか母親に尋ねるが、あっさりと切り捨てられた。

「バナナも美味い、苺も美味い」

「こんなお正月初めて!苺頂戴?」

「苺ね…」

ヒカリに苺の入った皿を差し出すとヒカリは苺にチョコを付けて食べる。

「うーん、美味しい…(あ、大輔君。全然食べれてない…ブイモンと私ばっかり食べてる…)」

ヒカリは近くバナナをフォークで刺して、チョコを付けるとブイモンに次の果物を用意してる大輔にフォークに刺したバナナを近付けた。

「ん?」

「だ、大輔君…あーん」

「え?」

微妙な恥ずかしさを覚えながらもヒカリは大輔にも食べてもらおうと差し出した。

「いや、俺は後でゆっくり食べるからヒカリちゃんが食べれば…」

「駄目、一緒に食べるの」

ヒカリは妙に頑固な時がある。

長くいるから何となくヒカリが頑固モードになっていることに気付いて大輔は口を開いた。

ヒカリはゆっくりと大輔の口にチョコバナナを食べさせた。

「ん、美味い。」

「そっか、えっと次はマシュマロ!!」

次はマシュマロをフォークで刺して大輔の口に。

「ありがとう、ヒカリちゃんもあーんして」

「へ?あ、あーん…」

大輔が差し出したチョコ苺をパクリ。

少し恥ずかしいような嬉しいような…。

「…何か普通より甘いなこれ」

酸味のあるキウイが滅茶苦茶甘い気がしたブイモンであった。

因みに後で記念撮影をして三人の着物姿を撮る。

因みに仲の良い三人の写真に数ヶ月後に仲間になるハツカネズミ擬きデジモンが怨嗟の声を上げながら藁人形に釘を打つ姿を目撃されたとか。 
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