耳かきをされて
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第七章
「耳垢はな」
「出来ないですから」
「そうだ、毎日は無理なんだよ」
「お風呂とかベッドでのことは毎日出来ても」
「そこは無理だからな」
「ですね、本当に」
「夢は実現出来ても毎日楽しめない夢もある」
秀一も言ってきた、彼は十代の頃より幾分特に腹に肉が付いてきている。その姿で和馬に言うのだった。
「そういうことだな」
「ああ、本当にな」
夢は確かに適えた、だがそれでもとだ。和馬はその秀一に答えた。
「そのこともわかったぜ」
「そういうものだな」
「世の中ってのはな」
「出ないなら仕方ないか」
「耳かきするなら耳垢がな」
それがというのだ。
「出ないとな」
「出来ないからな」
「それは仕方ないさ、だから一ヶ月に一回の楽しみってことでな」
「アンドロイドのお姉ちゃんにしてもらってるか」
「ああ、そうしてるさ」
楽しんでいるがというのだ。
「そういうことでな」
「そうか、じゃあこれからもな」
「俺は楽しんでいくな」
ハーレムをとだ、こう言ってだった。
和馬は実際に適えた夢を楽しんでいった、そこで耳かきもそうしていった。実は一月に一回では不満だったが。
そこはどうしようもないので満足するしかなかった、和馬は内心の不満の分は他の楽しみで補うことにした、そのうえで。
二人にだ、今自分達がいる喫茶店の中で話した。
「それで今日もな」
「ハーレムを楽しむか」
「そうするんだな」
「今日はバニーガールフェスティバルでいくさ」
アンドロイド達にその姿になってもらってと言うのだった、和馬は笑って二人に話した。そこには満足しているものが確かにった。完全ではないにしても。
耳かきをされて 完
2019・9・16
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