魔法少⼥リリカルなのは UnlimitedStrikers
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Duel:32 レイダーズの襲来
――side響――
「……へー、未成年の補導かぁ面倒だね」
「まーなー……スバル達なら問題無いけど俺とはなは身動きしづらい。ミッドだとこういうこと無いんだけどなー」
「うん。働いてる子も割といるしねー大変だね海鳴って」
「や、この国というかなんというか、まぁ外国の話だと思ってくれ」
ざぷざぷと二人で朝食で食器を洗って磨いて仕舞う。
一食一飯の恩を~とかそういうわけじゃなく、暇だったから二人でしてるだけ。
隣に行ったっきりのはなはまだ戻って来てないし。
特に何もなかったから、昨晩はそのまま向こうで過ごしてたみたいだけど、自主性が生まれて行動してるのは良い傾向なのかなーとか思ったり。
それ以前にまだまだ融合騎については全然理解が足りてないのが痛い。
色々はやてさんとかに話伺わないとなー。
「ごめんくださいー震離ですー」
「「お?」」
ちょうど片付けし終えたあたりで震離の来訪。タイミングが良かった。
――――
「ほーん、じゃあギンガが帰ってくるまでお邪魔しようかなー……頭痛いー」
「なんか震離がお酒を嗜むようになるとは、アルコールは脳細胞壊れるとか言ってなかったっけ?」
「はっはっは、人外舐めんな。多分再生して、何なら増殖してるから。
何なら頭ふっとばそうか?」
「人んち赤くしようとしないでよ……」
「はぁい……じゃちょっと休ませてー……すぅ」
改めて人間やめてんだなーと。俺とスバルは苦笑いしか出来ないよ。
そして、相変わらず寝入りがすごく早い。
で、そんな震離を他所に。
「そう言えば他にも居るのかな? こっちの世界じゃ居ない人って」
「んー? あぁ、どうだろうなー、俺らの方の関係者は今ん所見てないって震離らが言ってたし、居るかもしれんがどうなんだろうって」
「あ、そう言えばさ。響ってオーリスさん……もとい、ゲイズ三佐って知ってる?」
「藪から棒に……知ってるよー、防衛長官秘書で、レジアス中将直轄の部下、親の七光りと言われた時期もあったらしいけどそれを跳ね除けて実績を上げた女傑。知らん訳はない」
「……あー、やっぱりよく知ってるんだ……んー、その人ってね。こちらの世界だとさー」
「んー」
やけに言い淀んでるというか、言葉選んでると言うか……よくわからんな。
……そう言えば元の世界のゲイズ中将らって、ゆりかご飛んでた時なにしてたんだろ? 何もしてないわけないし、フェイトと合流したら聞いてみようかな。
「……スカリエッティの奥さんだったよ」
「……は?」
……え? ジェイル・スカリエッティの奥さんが、オーリス・ゲイズさん?
え? この世界、スカリエッティとクイントさんが兄弟で……レジアス中将がお父さん?
あれ? なんかよく分からんくなって……取り敢えず。
「……嘘?」
「んーん。七がお母さんって言って抱きしめてた」
「マジか?!」
向かいで突っ伏して寝てた震離が小さく唸ってるけど、まだ起きてない。
いや……は?! マジで!?
「あと、ここに居ないナンバーズ……オットーとディード、セインなんだけどさ。存在してるのは確認出来て、騎士カリムさんのところに居るみたい……ちなみに従兄弟だって」
うわぁ。
「……この世界やべぇな」
「改めてとんでもない世界だよねぇ」
……本当だよ。
あれ? そうすると……なんで俺らの関係者は全く見当たらないんだ? 俺のところはともかく、奏の家なんて普通の一般家庭だったし直ぐにとは言わないけれど、時間かければ見つかるはず。
本腰入れて調べてない……わけないだろうし。
なんか法則とかあるのかな?
「他になんか驚く情報ってある?」
「ううん、私は無いけど響はなんか持ってる?」
「……あ、この世界じゃない元の世界の話なんだけどさ。休暇の時地元帰った時さ」
「うんうん!」
うぉ、反応が一気に変わった。しかもスバルの目がすっごいキラキラしてるけれど、思ってる話じゃないのよなぁ。
「……なのはさんのお兄さん。あの人とちょっと訳合ってぶつかって勝負したんだけどさ」
「えぇ……大丈夫怪我させてない?」
あら、思ってなかった反応。割と評価が高いと考えてもいいかな?
すぐに落ちるけども!
「ううん。それどころか当時使ってたデバイスコア破壊された上に、ぶっちゃけ勝ち目無かった」
嘘だ、と言わんばかりに目を丸くして首を傾げてる。
だけど、よく考えろよ?
「なのはさんのお兄さんよ? それだけで理由は十分だろ?」
「あ、はーい」
直ぐに納得して苦笑い。普通に強いというか、俺の剣術の系譜……や、元になってるらしいし、強い筈なんだよな。
しかもエースオブエースのお兄さん、達人クラスの人と戦えたのは大きかったなー。
「そうだ。それとねー」
「おー」
ギンガとクイントさんが帰ってくるまで、寝てる震離を他所に二人で話し込んで……そういやこうして話すの久しぶりだなー。
お昼時になるまで話は続いて、ちょっと気楽で楽しかった。
――side奏――
先輩から、元の世界のなのはさんって本気で運動神経ぶち切れてるという話を聞いたわけなんですが。
正直全然信じられません。
だって、あんなに立体駆動出来てる人が運動出来ないって言われて、そんな訳無いじゃんってしか……。
先輩曰く自転車乗れないとか。曰くソフトボールをまっすぐ投げられないとか、なんか色々言ってたけれど……全く信じられない。
現実問題、こちらのなのはがスプーンで打ち抜いてるのを見ちゃったわけだし。
何がどうしてそうなったのやら……。
っと。
「奏、もうちょっとしたら今度はタッグエキシビションするから一緒に戦ってくれると嬉しいな」
「はーい。一端ぬいぐるみフロアのプレシアさんのヘルプに急いでくださいよ。こちらは大丈夫なんで」
「わかった。あ、あと挑戦受けたら試合してもいいってーそれじゃあ後でねー」
ひらひらと手を振って先輩を見送る。
取り敢えずの拭き掃除をしながら周囲を見渡せば、見た感じ大学生位の人がまばらながらもいる。 さっきまで1on1で先輩と交代しながら挑戦を受けてたけれど……普通に強くて驚いた。
あの手この手で、攻撃を仕掛けてくるけど……まだ立体戦に慣れてないというか、その攻撃は読めないといった様子で落ちてたなー。
私も普段やらない跳弾とか色々練習できるのは良いけれど、まだまだ戦略に落とし込めないなーと。
……第一、普通にこの前の合宿メンバーのほうがユニークで且つ強かったなぁ。
もともとのポテンシャルが高いのか、それに追いつきそうな大学生の方々が強いのかわからない。
「すいません店員さん? 俺たちのタッグの挑戦を受けてもらっても?」
「……あ、はい。タッグってことは二人……って、あれ?」
後ろから声を掛けられて、慌てて振り返れば……ちょっと幼さを残した少年。いや、明らかにまだ子供のような……。
「あれ? ごめんなさい、流石に平日のこの時間に……」
「あ、いえ。今日は修学旅行の振替というか、午後から休みなんです! なので大丈夫です」
「あ、なるほど。それは失礼しました」
一応店員さんなので、失礼をしたらきちんと謝罪を。
さて、と。
「タッグということはもう一人いらっしゃるんですよね? その方は?」
「既に準備しています。まだまだ弱いですが、フリーマッチでよろしくおねがいします!」
わぁ、元気いっぱいだぁ。なんか誰かに似てる気もしなくもないけど……ま。
「分かりました。それでは直ぐに用意致しますので、対戦モードで待機してて下さい」
「はい、それでは!」
……それにしても本当にブレイブデュエルって人気なんだなぁ。
さてさて、相手の情報は……何? チーム名はレイダーズ……襲撃者達……ほーん。使用デバイスは……お? ハンドガン二丁と、スナイパーライフルの二人組で、市街地マップ……うわマジじゃん。
……さて、負けないように頑張っていきましょうか!
後書き
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