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夢幻水滸伝

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第百十七話 枢軸の者達の素顔その六

「熱いのやったら」
「実際来日してうどんはな」
「よお食べてるか」
「そうしている」
 実際にという返事だった。
「きつねうどんも肉うどんもな」
「やっぱりそうか」
「特に鍋焼きうどんやうどんすきが好きだ」
「ああ、うどんすきな」
 インペルはその料理の名前を聞いて頷いた。
「冬は最高やな」
「日本の冬はロシアの冬よりずっと暖かいが」
 それでもというのだ。
「あの料理は美味いな」
「ほんまにな」
「日本の冬にはあれもええな」
「鍋もの、豚汁、かす汁もいいが」
 チェッチェフはこうした料理も挙げた。
「鍋焼きうどんやうどんすきもな」
「確かにええな」
「僕等も好きや」
「私は夏でも基本暖かいものを食べる」
 この季節でもというのだ。
「やはり冷たいものを食べる習慣自体がな」
「ないか」
「そうなんか」
「それでざるそばもこれまでなかったが」
 それがというのだ。
「今食べるとな」
「美味しいか」
「そうやって言うんやな」
「まことにな、もう一枚いや何枚でもな」 
 蕎麦をさらにすすりつつ言うのだった。
「食べられるな」
「そや、お腹一杯食べるんや」
「僕等もそうするしな」 
 インペルとルルフォは蕎麦を次から次にすすっているチェッチェフに応えた、そうして彼等自身も食べてだった。
 酒も飲んだ、ここでルルフォはこんなことを言った。
「前から思ってたが大和の酒もな」
「美味いな」
 インペルがルルフォのその言葉に応えた。
「日本酒自体が美味いけど」
「この大和の酒もな」
「あのスーパー何とかいつも言うてる四人の言う通りやな」
「瑠璃子ちゃん達がな」
 この四人は何かと大和の宣伝もしているのだ、尚今現在は四人で御所の一室でだべってスナック菓子とジュースを飲みつつすごろくやトランプをしていて太宰に真面目に働く様にとしっかり怒られている。
「あの娘達の言う通りやな」
「ほんまにな」
「大和のお酒も美味しいわ」
「そして日本酒もな」
「確かに美味い」
 チェッチェフも認めることだった、そのうえで飲んで言うのだった。
「こちらも幾らでもだ」
「というか自分凄い勢いで飲んでるな」
「僕等合わせた位に飲んでるで」
 二人は今度はチェッチェフの飲みっぷりについて言った。
「ロシア人だけあるな」
「こっちの世界でも相当に飲むな」
「ああ、そういえば寮でも飲むしな」
 チェッチェフは今度は起きた世界での話をした、彼等は海外組なので海外から来た留学生用の寮にいるのだ。
 そこからだ、こう言うのだ。
「君達とも飲んでいるな」
「それもよおな」
「そこでも飲んでるしな」
「それでこっちの世界でもな」
「飲んでるな」
「ロシアだといつもウォッカだ」
 ロシアの代名詞と言っていいこの酒を飲んでいるというのだ。
「それで温まりもしている」
「それで今は日本酒やな」
「これを飲んでるな」
「そうだ、酒は何でも好きだが」
 それでもと言いつつさらに飲むのだった。 
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