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魔法少女リリカルなのはANSUR~CrossfirE~

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Ep46滅亡と創造へのカウントダウン~Madness and sanity~

“女帝の洗礼”の外壁を、なのは達のおかげで突破することが出来、私は“女帝の洗礼”内部を最上部目指して飛ぶ。内部は吹き抜けとなっていて、内壁にびっしりと繊細な機械部品が並んでいる。

「とっとと壊れろぉぉぉぉーーーーーッ!!」

――双牙炎雷刃(フランメ・ウント・ブリッツ)――

もちろん私は“キルシュブリューテ”と“トロイメライ”の二刀流で、機械部品を徹底的に破壊していく。

「やめろッ!!」

――深淵より来る雷霆――

それを止めようと私の後方から砲撃を放ってくるのは、アルトワルドと融合して、銀色の甲冑を身に纏うディアマンテ。私はその砲撃を避けずに“キルシュブリューテ”で軌道を逸らして、内壁にぶつけさせる。爆発。ディアマンテから、しまった、というような気配を感じる。バカな奴。ここで砲撃を放てばどうなるか、怒りで忘れてる。

「やめろって言われて、はい、そうですか、って聞くと思ってんの!?」

だからこそ、ディアマンテは接近戦を挑んできた。それこそバカなこと。身体能力は生前に比べれば制限の所為で低いけど、空戦形態フォイアロートフェーニクスで空戦レベルを生前以上にしてカバー。

「もう諦めろ、ディアマンテ! お前はもう私に勝てない!!」

最上部まで、螺旋軌道を描きながらディアマンテとの剣戟を繰り広げる。速度は私が少し負けてる。だけど、戦いの場としては私が有利。たとえ攻撃を外しても、内壁に攻撃が当たればそれでいい。だけどディアマンテは内壁に注意を払わないといけない。そう、“女帝の洗礼”内部に入った瞬間、この戦いの勝敗は決まっていった。

「「おおおおおおおおおおおおおッッ!!」」

互いが高速の連撃を繰り出し続ける。ディアマンテの甲冑を少しずつ砕き、私の戦闘甲冑にも傷が増えていく。そしてようやく、設計図で見た管制ルームに辿り着いたことを示す天井を視認。左手に持つ“トロイメライ”で鳥型砲撃グランツフォーゲルを撃ち込み、天井を破壊。最上部、管制ルームに侵入した。

(・・・アレが女帝の洗礼、オラシオン・ハルディンを統括するAIコア・・・!)

だだっ広い管制ルームの中央に、球状のコアを見つけた。それと同時に放送が流れる。

≪オラシオン・ハルディン管制ルームに侵入者。エネルギーチャージ86%。エマージェンシー・シークエンス。洗礼の一撃の照射準備、カウントスタート。10≫

全開チャージじゃなくてもカウントを始めた。

「撃たせるかぁぁぁーーーーッッ!!」

――双牙閃凶刃(シャイン・ウント・ドゥンケルハイト)――

私はコアへ攻撃を撃ち込む。だけどそれを阻むのがディアマンテ。私とコアとの間に立ち塞がって、私の攻撃を弾いた。

≪9≫

――閃駆――

「偽善の象徴は、滅びなければならない!!」

――撃滅せし雷王の右手――

≪8≫

白銀の雷で作られた巨大な手の平。私は“キルシュブリューテ”でそれを斬り裂き、そのままディアマンテに突っ込む。

「退けぇぇぇーーーッ!!」

≪7≫

“トロイメライ”を振るい、ディアマンテの剣を封じる。すぐさま“キルシュブリューテ”で直接本体へと一撃。ディアマンテは“キルシュブリューテ”の刃を左手で白刃取り。

「させるかっ!」

「邪魔だぁぁああああっ!」

≪6≫

私はディアマンテを蹴り飛ばし、コアへと疾走しようとする。だけど私の足を掴んで転倒させるディアマンテ。

「行かせるか!」

「こんのぉ・・・!」

≪5≫

身体を捻って上半身を起し、ディアマンテに“キルシュブリューテ”と“トロイメライ”を叩きこむ。ディアマンテの両腕を切断。両脚が解放されて、すぐさまコアへと閃駆で近付く。だけどそれより早く、ディアマンテが私の前に回り込む。

「しつこい男は嫌われるわよっ!」

≪4≫

「目醒めよ、キルシュブリューテ!!」

「王よ! 愚かしき者共に死の鉄槌をッ!!」

≪3≫

「真技・・・!」

“キルシュブリューテ”の能力を限定解放。鞘へと納め、ディアマンテにタックル。コアへと叩きつける。

「がはっ・・・!」

≪2≫

「牢刃・弧舞八閃!!」

絶対切断の刃を八閃解き放つ。

・―・―・―・―・―・―・

ベッドの縁に腰かけ、一心に複数のモニターを眺めるのはトパーシオことフィレス。
映し出されているのは、全長50km・全幅7kmとある大渓谷“アドゥベルテンシアの回廊”の中間辺りで行われている艦隊戦。
戦闘機隊“アギラス”は全機墜とされ、今現在、旗艦“フリングホルニ”と空母“ナグルファル”の2隻は、管理局所属艦32隻(さらに増えていく)、それに加えヴォルテールと白天王に包囲されるようにして、艦載砲による激戦を繰り広げている。

(これ以上増えれば、いくらなんでもナグルファルは墜ちてしまう)

彼女はそう危惧し、また別のモニターに視線を移す。“オラシオン・ハルディン”の自動砲撃システムは制圧され、“女帝の洗礼”もシャルロッテによって機能停止。さらにカルド隊とディアマンテは敗れて消滅した。
14人と居た幹部も、今となっては裏切り者を除いて、ハーデことセレス、サフィーロことルシリオン、そして彼女を含めた3人。
彼女は決心した。このまま“特務六課”のメンバーに攻め込まれれば、妹セレスは負ける。だからこそ、私も戦おう、と。

(ごめんね、セレス。もう黙って見ていられない)

彼女の姿が揺らぎ、この部屋から消失した。

†††Sideなのは†††

“女帝の洗礼”の外壁にもたれかかるようにして、私を含めたみんなは休憩をしている。地上部隊は、艦隊戦に参加せずに構成員収容艦として用意されたL級艦船“コンウォーリス”と“フランドール”へ、拘束された構成員たちを連行していった。

「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで」

――静かなる癒し――

そして私とシャルちゃんとフェイトちゃんは、ある程度の休憩を挿んでから“エヘモニアの天柱”に乗り込むために、“オラシオン・ハルディン”まで出向いてもらったシャマル先生に治癒魔法を掛けてもらっている。

「みんな! 大丈夫か!?」

その最中、はやてちゃん達が戻ってきた。シャマル先生がはやてちゃん達に気付くと、ものすごい笑顔で突進、抱きついた。

「みんな無事でよかった・・・!」

目頭を拭って、はやてちゃん達の上から下を見回して無事を確認。シャマル先生は、リインフォース、ううんリエイスさんへと歩み寄って、「おかえり、リインフォース」そっと抱き締めた。
その温かな光景を見て、良かった、と思う。今度こそ、みんな一緒に過ごせる未来を手に入れたはやてちゃん達。リエイスさんはシャマル先生を抱き返した後、名前が変わったことを知らないシャマル先生とザフィーラに自己紹介。

「ただいま、シャマル、ザフィーラ。それとシャマル、私は主はやてから新たな名を授かった。清浄なる優しきもの・運命を切り拓く翼・白き純潔の希望、リエイス。これからはそう呼んでくれ」

「え、そうなの?・・・リエイス。うん、すごくいい名前ね♪」

「そうだろう? 主はやてから授かった名だ。良い名で当たり前だ」

「そこまで言ってもらえるんは嬉しいんやけど、ちょう恥ずかしいな」

シャマル先生の治療中に談笑して、シャマル先生は今度は、はやてちゃん達にも治癒魔法を掛ける。治療の最中に、シャルちゃんが私とフェイトちゃんを除くみんなに提案していたことを、はやてちゃん達にも話し始める。

「連戦で本当に悪いんだけど、天柱へ乗り込む私となのはとフェイト以外の神秘を扱えるみんなで、フリングホルニとナグルファルを墜としてほしい。まず先に墜としやすいナグルファルね。一斉に乗り込んで内部を徹底的に破壊。上手く行ったらフリングホルニ。コイツも内部を可能なだけ破壊してほしい。あと帆とかも壊しちゃって。みんなならきっと出来るから」

作戦とも言えない作戦だけど、それでもみんなは力強く頷いた。

「破壊ならあたしとアイゼンの専売特許だ。な、アイゼン?」

≪Ja≫

「姉御にだけ良いカッコさせねぇぞ。な、シグナム」

「ああ、そうだな。私とお前の炎で墜としてやろう」

「僕も頑張りますよ。ね、キャロ、ルー、レヴィ」

「うん! わたしはみなさんをしっかりサポートします」

「私は外から白天王やヴォルテールと一緒に艦隊の協力をする」

「わたしもルーテシアの護衛として外から攻めるよ」

「それじゃあ私とギンガとスバルは、艦内での破壊活動ね。あと、チンク達は残念だけど地上でお留守番ね」

「お手伝い出来ないのは悔しいですが、母上の言う通りに我々は地上で待機しましょう」

「仕方ないよね。神秘っていうのが使えないんじゃ」

「ああ、こればっかりはな」

「えー、そんなのイヤっスよ~。つまんないっス~」

「ウェンディ、私の娘ならちゃんと言うことを聞いてね」

「むぅ~、ママリン、そのまま居なくなっちゃうとか嫌っスからね、ちゃんと帰ってきてほしいっス」

「大丈夫。ちゃんと戻ってきて、おとーさんにも、みんなにもきちんと挨拶をしてから旅立つから」

「・・・ティアナ。僕たちも艦内での破壊活動だ、いいね」

「はい。望むところです」

“フリングホルニ”と“ナグルファル”攻略組は、艦隊戦が繰り広げられている戦場に向かう準備をし始めた。そして私たちも“エヘモニアの天柱”に行くために立ち上がる。と、はやてちゃんがシャルちゃんのところにまで駆け寄ってきて、シャルちゃんを抱きしめた。

「これできっと最後や。そやから・・・元気でな、シャルちゃん。ホンマにありがとう」

「・・・こっちこそありがとう。みんなも元気でね」

ここでシャルちゃんと別れるみんなにとって、シャルちゃんと直接会って話すのこの場で最後になる。みんなもそれに気付いて、思い思いにシャルちゃんとお別れの挨拶を交わしていく。リエイスさんも、シャルちゃんに握手を求めて何度もお礼を口にしていた。
ここに来る前に立てた作戦通りに行けば、私ひとりでシャルちゃんを送り出すことになる。1ヵ月と居ることの出来なかったシャルちゃん。私、最後は笑ってシャルちゃんを送り出すことが出来るのかな・・・?

「さて、お別れの挨拶も出来たし。行こうか、なのは、フェイト」

「もういいの・・・?」

「ほら、よく聞くでしょ。別れは長引けば辛い、って。こうしてみんなが笑顔でいる中でお別れした方がなんか良くない?」

そう言ってシャルちゃんはみんなに手を大きく振った。みんなもそれに応えようと手を上げたその時、“オラシオン・ハルディン”に異変が起きた。“女帝の洗礼”の周囲を空色の光線が走って、妙な図形を描いていく。
さらに“女帝の洗礼”からいくつもの光線が地面を走って周囲に伸びていく。私たちがその突然の事態に戸惑っている中、シャルちゃんはひとり空に上がる。空から現状を把握するみたい。

「なに・・・!?」

――冷徹なる極雪の凍波――

“円卓”の奥の方角から、シャルちゃんに向けて蒼い吹雪の砲撃が放たれてきた。シャルちゃんは私たちより早くに気付いていたようで、余裕で砲撃を躱して降りてきた。私たちの元に降り立ったシャルちゃんの表情はさっきと全然違って緊迫したものだ。声を掛けていいのか判らず、シャルちゃんのことをじっと見る。

「ここから先は通行止めです。大人しく下がりなさい」

そんな時、空から女の子の声がした。誰かはすぐに判った。さっきの吹雪の砲撃の時点で、もう判っていた。視線を声のした方へと移す。そこには小さな女の子トパーシオ、そして彼女の背後に浮遊しているウェディングドレスを身に纏った魔人メノリアが居た。神秘を扱える私たちは臨戦態勢に。神秘を扱えないシャマル先生たちを背後に庇う。

「一体何を企んでいる?」

シャルちゃんが数歩踏み出して前に躍り出る。手には鞘に納められた“キルシュブリューテ”。地面に降り立ってすぐにそう尋ねられたトパーシオ、ううんフィレス元三等空士は口を開かない。シャルちゃんは“キルシュブリューテ”を鞘から抜き放って、切っ先をフィレス空士に向けた。

「空からこのオラシオン・ハルディンを見て愕然としたよ。オラシオン・ハルディン全体が1つの儀式魔術の魔法陣、儀式場となっていることに、ね。しかも私でさえ知らない儀式魔法陣だ。オラシオン・ハルディン、意味は祈りの庭。もっと早く気付くべきだった。だからもう1度聞くよ。セレスは何をしようとしている?」

「今の私では、セレスの真の目的がどこにあるのか、どこに行こうとしているのかも解からない。でも、あの子はもう引き返そうと思っていない。ならその先にあるものは何か、ある程度予想はつく」

フードを脱いで素顔を見せるフィレス空士。その髪は灰色のセミロングで、瞳は綺麗な碧色。セレスさんをそのまま小さくしたような姿。間違いなく管理局データの殉職者欄で見たフィレス・カローラ空士、その人だった。シャルちゃんはフィレス空士の言葉に「自滅覚悟の暴走でもするつもり?」と聞き返す。

「自分もろとも世界を滅ぼすことくらいはしそうよね、今のあの子は」

「何をそんな悠長なことを言っとるん!? そんなん、やめさせやなアカン!!」

「よく言う。セレスにこんな選択を取らざるを得ないような状況に追い込んだ管理局の駒が! 話し合いという机上の戦争は行わることなく過ぎて、今の力による戦争が始まった。もう話し合いでは終わらない。だからあの子の気の済むまでやらせて、私はそれに付き合う。あなた達がそれを阻止しようというのであれば、私は全力であなた達は殺します」

フィレスの背後に浮遊するメノリアからも殺気が放たれる。エルジアでの敗北を思いだす。どこからともなく氷の杭を打ち込んできた、あの攻撃を。私は周囲を最大警戒。いつでも戦闘行動に移れるように身構える。

「私たち全員を殺す? 本当に出来るの、そんなことが? あなたがエルジアでの一戦から今まで姿を現さなかった原因は、メノリアとの融合でしょ? あなたは魔族融合を行うと、他の幹部たち以上に存在(おもい)がひどく崩れる。だからそれの修復期間として、ずっと前線に出なかった。融合すれば自滅する、だから戦わない。当然ね。中級の魔人メノリアと同化して、未練と言う酷く脆い存在であるあなたが無事なわけがない。違う?」

「だったら、どうだというのですか? それが真実だとしても私の勝利は揺るがない。メノリアを武装せずともあなた達に勝つことぐらい、難しいことではないのですから。そしてすべてを終えたあと、私はセレスの元へと帰り、あの子の全てを許す」

「どうしてなん? セレスのお姉さんやったら、止めるんがお姉さんやろ・・・?」

「だってお姉ちゃんは妹を守るものだから」

フィレス空士がそう告げた瞬間、頭上が光るのが判った。一斉に上を見る。私たちに迫って来ていたのは、白銀の砲撃だった。

――真楯(ハイリヒ・フライハイト)――

シャルちゃんのシールドが私たち全員を護るように展開されて、砲撃を防いだ。ヴィータちゃんが「管制システムを破壊したのに、何で動いてんだよ!?」って怒鳴った。今の砲撃は間違いなく“騎士の洗礼”からの砲撃だった。シグナムさんがシャルちゃんとリエイスさんに「どういうことだ?」って尋ねると、2人が答える前にフィレス空士が口を開いた。

「剣神シャルロッテが破壊したのは確かに、オラシオン・ハルディン全体を統括するシステムコア。ですが、それはあくまで砲撃システムを効率的に動かすためだけの自動掃射システムに過ぎません。知りませんでしたか? オラシオン・ハルディンは手動のプログラミングでも動くんですよ。まぁジェネレーターの無い以上、次元跳躍砲はもう撃てませんけど」

最後の辺りは完全にリエイスさんに向けての発言だった。リエイスさんは何も言わずに、ただはやてちゃんを守るように佇んでる。それにしてもフィレス空士の言うことが確かなら、誰かが“オラシオン・ハルディン”の砲撃システムを、で起動しているということだ。誰が? 決まってる。セレスさんかルシル君のどちらかでしかない。

「散開!!」

健在である“騎士の洗礼”7基から次々と砲撃がまた放たれ始めた。私たちは散開して回避。そしてフィレス空士とメノリアとの戦闘を開始。神秘の扱えないシャマル先生たちは私たちの邪魔にならないように、この付近一帯から離れていく。そして神秘の扱える私たちは、現状解決のための手段を念話で話し合う。

『なのはちゃんとフェイトちゃんとシャルちゃんは、セレスを止めに行って! フィレス空士は私らで何とかするから!』

はやてちゃんがそう提案してきた。それに反論するのはシャルちゃんで、はやてちゃんに『いくら何でも無茶よ!』と返した。それにまた反論するのがシグナムさんで『今は一刻も早くカローラを止めるのが先決だ!』と怒鳴った。
みんなが沈黙する。そんな中に撃ち込まれてくる砲撃。この場所と“騎士の洗礼”間の距離もそうだけど、威力も発射スピードもすごく遅くなっていて、射線も甘いから余裕で回避できる。手動でのプログラミングというのは本当みたいだ。

――冷徹なる極雪の凍波――

だけどフィレス空士、というよりメノリアから放たれる攻撃が厄介だった。あまりに正確、あまりに無慈悲。当たれば間違いなくただじゃ済まない。

『・・・判った。なのは、フェイト。ここはみんなを信じて、私たちはセレスの元へ向かう』

『・・・了解。なのは、行こう』

シャルちゃんとフェイトちゃんからそう告げられる。私ははやてちゃん達に視線を移す。目の合ったみんなは力強く頷いた。私もシャルちゃんに『了解』と返して、みんなにも『気を付けて』と告げた。

「ここから先へは行かせない! メノリア!!」

――吹き抜ける氷界の北風――

メノリアの指先から放たれる蒼い衝撃波。私とシャルちゃんとフェイトちゃんはギリギリで避けきれた。

――紫光掃破(ハーツイーズ・ドライヴ)――

さらに追撃してこようとしたメノリアへとレヴィが砲撃を放つ。そのおかげで、私たちはフィレス空士を突破することが出来た。追撃されないようにさらにスピードを上げて飛ぶ。

「一基でもいいから潰しておいた方がいいよね・・・!」

――光牙十紋刃(タオフェ・クロイツ)――

“オラシオン・ハルディン”を抜ける前、“騎士の洗礼”の1基に近付いたシャルちゃんが巨大な十字架型の斬撃を放って、砲撃発射直前だった“騎士の洗礼”の中間辺り破壊した。砲撃は撃たれることなく、その“騎士の洗礼”は機能停止した。

「急ぐよ、2人とも・・・!」

「「うん!!」」

そうして私たち3人は、セレスさんとルシル君の居る“エヘモニアの天柱”を目指して空を翔ける。 
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