レーヴァティン
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第百三十三話 砦攻めその六
「あの城を攻め落とし」
「肥後もたいな」
「手に入れる、九州最大の城で守りの要で」
英雄はさらに話していった。
「守っている兵も多いが」
「一万いると」
「そうだ、堅城に一万だ」
そこまでの数の兵達がいるというのだ。
「これは辛いが」
「それでもたいな」
「攻め落とす、八万の兵を向けてな」
そのうえでというのだ。
「攻めるぞ」
「わかったとよ、なら」
「肥後に入る」
英雄はこう言って肥前に向けた兵と自分達を筑後に戻した、そうしてその境に集結したうえでだった。
肥後に入った、すると肥後の国境にいる敵兵はいなかった。関所はあってもそこはもぬけの殻であった。
その関所を見てだった、英雄は香織に話した。
「国境や関所はあえて捨ててか」
「それでたいな」
「熊本城で戦うつもりか」
「一万となると」
香織はその兵の数から話した。
「今の九州の兵の三分の一はおるとよ」
「そうだな、筑前を抑え」
九州でも人の多いこの国をというのだ。
「岩屋城の時にかなり叩いた」
「そして筑後も肥前も手に入れたとよ」
「豊前を手に入れ豊後もだ」
「攻めていってるとよ」
九州の東も南下していっている、確かに敵は強く中々降らないがやはり兵の数と智達の資質もあった。神器は切り札として温存しているがそれでも進めていけていた。
「それでたい」
「九州の兵達は減った」
「それでたい」
「今九州の兵は三万程だ」
「その三万のうちのたい」
「一万だな」
「それだけの数の兵が籠っていて」
そしてというのだ。
「どうもたい、九州はもう東の方を一旦放棄してでも」
「それでもだな」
「兵ば集めて」
「ここで戦うつもりか」
「総大将がここにいる」
「俺がか」
「わかったみたいとよ」
それでというのだ。
「敵の総大将ば破って」
「捕えるなり首を取るなりしてか」
「勝つつもりたい」
「そうした勝負に出たか」
「それだけ敵が追い詰められて」
そしてとだ、香織は英雄に話した。
「焦ってたい」
「戦いを挑んできたか」
「そうたい、そして」
「それならだな」
「こっちもやり方はあるとね」
「総大将を狙って来るなら決戦だ」
それになるとだ、英雄は香織に答えた。
「まさに」
「そうです、では」
「ここで勝ってだ」
「そうしてですね」
「九州の戦を決める」
趨勢をとだ、英雄は謙二にも話した。
「そうする」
「それでは」
「ここはその策をだ」
「使いますね」
「そして勝つ」
「ではその策を」
「今から用意しよう」
こう言ってだった、英雄は熊本城に軍勢を率いて向かった、そして熊本城に着くとすぐに城を囲み南から来る敵の援軍に対しても布陣した。その総兵力は九万に達し兵の数では圧倒した。鉄砲や大砲の数でもだった。
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