レーヴァティン
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第百三十三話 砦攻めその一
第百三十三話 砦攻め
英雄は肥前にある砦を自ら軍勢を率いて攻めていた、今は仲間達はいないが兵達を率いてそうしていた。
兵は五千いる、その状況を見て言うのだった。
「兵は五千でだ」
「はい、敵は五百だとか」
「砦に籠る兵達は」
「こちらの十分の一です」
「それだけです」
「十倍の兵があれば」
英雄は兵達の話を聞いてさらに述べた。
「城や砦は確実に落ちるというが」
「ならですね」
「この度も問題なくですね」
「砦は攻め落とせますね」
「それが出来ますね」
「そうだな、しかもだ」
英雄はここで軍勢をあらためて見た、見ればだ。
鉄砲は多く大砲も五門持って来ている、彼はその状況も見て言った。
「火器もあるしな」
「普通は攻め落とせますね」
「数だけじゃなくて鉄砲もありますし」
「大砲まであります」
「それならです」
「問題なく攻め落とせますね」
「そうなるが」
それでもとだ、英雄はこうも言った。
「それでも敵は戦うか」
「どう見ても不利ですが」
「降る様に使者を送っても」
「それでもですね」
「降りませんね」
「まだそうした砦があるとはな」
英雄は今度は砦を見た、石はなく全て木造りで堀も浅く狭い。本当に何でもない砦だ。小高い山の上にあるがそれだけだった。
「九州の戦意は高いか」
「まだまだそうみたいですね」
「どうやら」
「それで、ですね」
「あの砦もですね」
「戦うつもりですね」
「そのつもりなら」
彼等がそうならと言うのだった。
「戦い攻め落とすが」
「何時までこうした戦が続くか」
「こっちの優勢は明らかだというのに」
「まだ降らないとは」
「何かと嫌になりますね」
「戦う方は」
「こうした者達もいるか」
圧倒的な劣勢でも諦めない者達がとだ、英雄は噛み締める様にしてこの言葉を出した。
「世の中は」
「まあそうですね」
「世の中頑固な奴もいます」
「それで中々こっちに降らない奴もいまして」
「九州の連中はそういうのが多いってことですね」
「要するに」
「そうだな、なら降るまでだ」
英雄はここでもこの考えを出した。
「戦いそしてだ」
「倒す」
「そうしてやりますね」
「この砦でも」
「大砲を門や櫓に撃ち込め」
まずはそうしろと言うのだった。
「そしてだ」
「それからですね」
「さらにですね」
「鉄砲だ」
次はこちらだというのだ。
「いいな」
「いつも通りですね」
「そうして攻めていきますね」
「その後で、ですね」
「城に入りますね」
「まずは徹底的に撃つ」
大砲や銃でというのだ。
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