| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百三十二話 二手に分かれその七

「あくまでな」
「それで今回のやり方はな」
「政からもな」
「相手を攻めてるな」
「そうだな、だから肥前ではな」
 今自分達が攻めている国ではというのだ。
「降る兵も多く」
「民もな」
「最初から服している者が多い」
「そやな、ほな」
「筑後の守りは固めた」
 肥前と肥後の間にある先に掌握したこの国はというのだ。
「ならだ」
「今はな」
「この肥前を攻めていき」
 そしてというのだ。
「あの国を完全に掌握する」
「そしてその為にこれからも」
「降らない兵達はな」
「放ってくな」
「それも何度もな」
「そして心服させるな」
「そうする、人は二度三度と解き放たれてるとか」
 そうされればというのだ。
「流石にな」
「心が変わりわかってくるわ」
「あの孟獲もだ」
 三国志のこの人物もというのだ。
「七度捕まり放たれてな」
「そこでようやくやったけどな」
「わかった」
 孔明に心服した、孔明は南蛮を武力で平定するのではなく孟獲そして彼の治める南蛮を心服させようと政で考え実際にそれを果たしたのだ。
「そうなる」
「あの頑固で誇り高い孟獲もな」
「そうなったからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「そうするな」
「そしてだ」
「肥前も心服させて」
「肥後だ」
 この国もと言うのだった。
「そして肥後でもな」
「そうしてくな」
「これ位のこと成功させられなければ」
 それこそとだ、英雄はこうも言った。
「この世界を救うなぞ」
「出来んな」
「そうだ、相手はこの世界を隠すだけの力を持っている」
 海の魔神、自分達が倒さなくてはならないこの相手はというのだ。
「だからな」
「それで、たいな」
 今度は香織が応えた。
「この度は」
「成功させる」
 この政のやり方をというのだ。
「必ずな」
「わかったとよ、それで東の方たいが」
 仲間達のこともだ、香織は話した。
「さっき連絡が来たたい」
「どうした状況だ」
「豊前に入り」
 そしてというのだ。
「城を攻め落としていっているたいが」
「それでもだな」
「降る兵は少なかとよ」
「そうか、しかしだな」
「何度も放しているたい」
 英雄の考え通りというのだ。
「それで豊後も」
「徐々にだな」
「手に入れていってるとたい」 
 その様にというのだ。
「文にあるとよ」
「その文を見せてくれるか」
「ここたい」
 香織はその文をすぐに英雄に差し出した、そして英雄はそれを読んでからすぐにこう香織に言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧