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ドリトル先生の林檎園

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第四幕その七

「本当に、じゃあ明日はね」
「木曽だね」
「木曽義仲さんの地元に行くんだね」
「そうするのね」
「そうしようね」
 こう言ってでした、先生は実際に次の日動物の皆と一緒に木曽に行きました。その木曽に行くとでした。
 松本市よりもずっと木が多かったです、それで動物の皆はその木を見回して先生に口々に言うのでした。
「本当に多いね」
「ここは木が多いね」
「木曽の木だね」
「地名にある通りだね」
「そう、この木は木曽の名産でね」
 沢山あるそれがというのです。
「売られてもいるんだよ」
「木はお家にも紙にも使うしね」
「色々な使い道があるからね」
「だからあると売れるよね」
「それだけで」
「そう、だから戦国時代武田家はこの木曽を領地にして」
 戦国大名のお話もするのでした。
「境を接していた織田家に警戒しつつね」
「木を売っていたんだ」
「それで収入を得ていたんだ」
「そうもしていたんだ」
「そうなんだ。そして木曽義仲さんは」
 この人もというのです。
「ここで生まれ育ったんだよ」
「この木曽でね」
「それで武将になったんだね」
「山の木々に囲まれて育って」
「それでだね」
「そうだよ、この木曽にいて」
 そしてというのです。
「家臣の人達と育ったんだ」
「家臣の人達と一緒に武芸に励んで」
「それでだね」
「強い武将になったんだ」
「鍛えられて」
「そうだよ、馬や刀や弓矢、相撲を一緒にして」
 家臣の人達と、というのです。
「鍛えられていたんだよ」
「それでその中に巴御前もいたんだね」
 チーチーがこの人の名前を出しました。
「そうだったね」
「ああ、あの人だね」
 ガブガブも言います。
「凄く奇麗で強かったっていう」
「あの人を忘れたらいけないね」
「義仲さんのお話をするとね」
 チープサイドの家族もお話します。
「義仲さんに忠義を尽くしてね」
「愛してもいたんだったね」
「最期は義仲さんに逃げる様に言われて落ち延びて」
「そうして生き残ったんだったね」
 今言ったのはオシツオサレツでした。
「その時凄く悲しんだらしいけれど」
「死なずに済んだんだったね」
「巴御前さん自身は死にたかっただろうね」
 老馬はこう考えました、その時の巴御前さんについて。
「義仲さんと一緒に」
「けれど義仲さんは死なせなかった」
 こう言ったのはジップでした。
「愛するが故に」
「いいお話だよ」
 こう思ったのはトートーでした。
「本当に」
「悪く書かれてもいいところもあるのね」
 ダブダブはこう思いました。
「ちゃんとね」
「まあ頼朝さんよりずっといいわね」
 ポリネシアは義仲さんいついて思いました。 
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