レーヴァティン
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第百三十二話 二手に分かれその四
「九州の方も大人しくしているか」
「それはないな」
「確かに岩屋城の戦で敵の軍勢にかなりの打撃ば与えたとよ」
「それで戦力はかなり奪った」
「それでもたい」
「相手はまだ戦うつもりたい」
このことは確かだというのだ。
「だからたい」
「筑後でも肥前でもだな」
「そして肥後でもたい」
「厳しい戦になるな」
「そうたい」
それは避けられないとだ、香織は話した。
「敵兵ば減っても戦はたい」
「わかっている、ではな」
「戦うたいな」
「そうする」
こう話してだ、そのうえでだった。
英雄は自身が率いる軍勢を筑後に入れた、そうしてそこにある諸城に使者を送って降る様に勧めたが。
降る城はなかった、どの城も将兵は少ないがそれでもだった。
戦う意志を見せていた、それで英雄は苦い言葉を出した。
「嫌な予想は当たるものだ」
「降る兵はいない」
「そうだ、これまでは降る者が多かったが」
九州攻めまでもっと言えば筑前まではとだ、英雄は謙二に話した。
「しかしな」
「この筑後では」
「そしてだ」
「肥前や肥後でも」
「こうした風だろう」
「そうですね、では」
「仕方がない」
英雄はもう決めていた、それで言うのだった。
「だからな」
「それで、ですね」
「降らない城は攻める」
そうするというのだった。
「一つずつな、そうしてだ」
「そのうえで」
「全ての城を降し」
攻め取ってそうしてというのだ。
「そのうえでな」
「筑後の全てをですね」
「手に入れる、武は最後の手段にしても」
「避けることはしませんね」
「絶対にだ、ではな」
英雄は城を一つ一つ攻め落としていった、それも大軍を向かわせて自身も軍勢を率いてだ。そうしてだった。
筑後を領有していった、城を攻め落として倒した兵は復活の術で蘇らせるが。
それでも降らない兵が多かったが彼等はというと。
「ならだ」
「逃がすのね」
「そうする」
本陣で奈央に答えた。
「捕虜にしない」
「ここはあえて」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「また戦場でとしてだ」
「心から降すのね」
「その考えだ、とかくだ」
「降らない兵は逃がして」
「また敵に回してもいい」
「そうして何度も戦って」
「何度も破ってだ」
その様にしてというのだ。
「次第にその心をな」
「降していくのね」
「七度捕えて逃がす」
「その意気なのね」
「俺はこの浮島を手に入れてだ」
「その力でね」
「この世界を海で覆っている魔神を倒す」
自分と仲間達の目的のことも話した。
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