架空戦記~東洋海戦争1941~
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第二十二話「東洋海海戦・2」
~アビン合衆国side~
「来たぞ!敵艦載機のご到着だ!しっかりとお出迎えしてやれ!」
「「「了解!」」」
護衛戦闘機、F4F=ワイルドキャットの編隊は神星ルドワ帝国の艦載機に向かって行く。それを受け神星ルドワ帝国の艦載機、A=XXⅡの編隊は迎えうつ。両者近づくにつれ機銃による撃ち合いが行われる。空に幾つもの黒煙の花が開く。そのほとんどの機は、ワイルドキャットの物であった。
「くそっ!後ろに付かれた!…うわぁっ!」
「これでもくらえ!」
「隊長機がやられた!次の隊長は…ぐぁっ!」
通信にはいくつもの悲鳴が聞こえてくる。あっという間に護衛戦闘機隊は半分以下になりそれを確認したのちに神星ルドワ帝国の爆撃機や攻撃機が空より降りてくる。
「敵の攻撃が来るぞ!対空攻撃開始!」
キンメル大将の命令で一斉に艦隊から対空砲火が行われる。そして少し遅れてイハワ王国も対空攻撃を行っていく。濃厚な対空弾幕の前に一機、また一機と艦載機が落ちていくがそれでも対空攻撃を切りぬけて攻撃を加える機もあった。
「右舷前方より雷跡2!」
「取り舵急げ!」
キンメル大将の乗艦する艦隊旗艦である戦艦ノースカロライナは魚雷の進行方向を平行にする事で回避しようとする。そんなノースカロライナに急降下爆撃機が迫る。
「敵機直上!」
「撃ち落とせ!」
幸い爆撃機は全て破壊され脇に墜落していく。その間に魚雷も回避され今のところノースカロライナに被害はなかった。しかし、他の艦はそうでもなかった。
「空母ヨークタウン被弾!」
「何だと!?」
キンメル大将は急いでヨークタウンを見る。そこには甲板から煙を上げるヨークタウンの姿があった。
「見た限り誘爆はしていないだろうが艦載機の発着陸は不可能になったな」
ヨークタウンの被弾を皮切りに合衆国海軍の被害は報告される。
「駆逐艦グリーブス被弾!」
「戦艦ワシントン被弾!」
少しづつだが被害が増えてきていたがイハワ王国はそれ以上の被害を受けていた。
「司令!イハワ王国の旗艦が!」
「っ!?」
イハワ王国海軍は面白いように攻撃が当たっており部下の報告の通りイハワ王国の戦艦モロカイが少しづつ傾いていた。更に黒煙も上がっており魚雷だけでなく爆撃も受けたという様子がうかがえた。
二回目の航空機の攻撃もイハワ王国のみならずアビン合衆国にも被害を与えていた。更に悲報は続く。
「水平線に敵艦隊!」
「このタイミングでか!?」
キンメルは双眼鏡で遥か彼方を除けば確かに艦隊の姿があった。敵艦隊は陣形を組み堂々とこちらに向かってきている。一方のアビン合衆国とイハワ王国の連合艦隊は航空機から逃れるために陣形もぐちゃぐちゃになっていた。
「今からやっても間に合わないな」
キンメルは敗北の可能性も考え冷や汗をかくのであった。
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