プロイセン騎兵
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第三章
フランス軍はプロイセン軍騎兵隊に対して銃と砲を構えてだった、一斉射撃を行った。すると彼等は瞬く間にだった。
動きが鈍い為に多くが倒されそしてだった、進撃が止まった。それを見逃すナポレオンではなく即座にだった。
ネイに攻撃命令を下した、するとネイはポーランドの槍騎兵を率いてプロイセン軍の騎兵隊に向かって突撃した。
プロイセン軍の騎兵達はその突撃で総崩れになった、それを見たプロイセン軍司令官は歯噛みして騎兵達に撤退を命じた。だがネイは騎兵隊をさらに進め。
自身が率いる騎兵達よりも動きが鈍くしかも反撃をするにも動作が悪いプロイセン騎兵達を散々に打ち破った。そうしてだった。
騎兵隊を壊滅させられたプロイセン軍はそこから全軍が崩れ惨敗した、ナポレオンはまたしても大きな勝利を得た。
フランス軍は会戦が終わった夜勝利の美酒に酔いしれた、その中でイフシェンコフに部下達が言った。
「プロイセン軍は確かに強かったです」
「非常によく訓練されていて規律もよく」
「見事な軍隊でした」
「騎兵もそれは同じでしたが」
「どうも相手にしやすかったですね」
「他の国の騎兵達よりも」
このことを言うのだった。
「どうにも」
「それは何故でしょうか」
「何故相手にしやすかったのでしょうか」
「戦術も悪くなかったと思いますが」
「動き自体が悪かったですね」
「進むにしても退くにしても」
「攻撃や反撃も」
美酒を飲みつつ話す、彼等は何故プロイセン軍の騎兵達が相手にしやすかったのかわからなかった。
その彼等にだ、イフシェンコフは冷静な声で話した。
「馬の乗り方」
「馬の?」
「馬のですか」
「それのですか」
「そうだ、プロイセン軍の騎兵達は見栄えがいいな」
まずは褒めることから言うのだった。
「そうだったな」
「はい、彼等は」
「背筋を伸ばして乗っていますね」
「ぴんと立てて」
「そのせいで実に恰好いいです」
「威風堂々としています」
「それだ、我々は背筋を前に曲げて乗っている」
イフシェンコフは今度は自分達の乗り方を話した。
「そうしているな」
「はい、自然とです」
「そうして乗っています」
「特に前に駆ける時はそうしています」
「それが動きやすいので」
「そうだな、だが彼等は違う」
プロイセン軍の者達はというのだ。
「そうして乗っている、これは確かに見栄えがいいが実際にしてみればわかるな」
「では」
部下の一人が早速だった、傍にいた自分の馬にプロイセン騎兵の様に背筋を立たせて乗ってみた。するとだった。
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