レーヴァティン
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第百三十一話 追撃戦その九
「朝に多く作らせてだ」
「そのうえでお握りにして」
「弁当にしておいた」
「そうしておいたのね」
「昼もそうさせたが」
「多く作ったことは」
「夜もだ」
こちらもというのだ。
「考えてだ」
「朝にうんと多く作って」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「今も食っている」
「お昼だけじゃなくて」
「やはり飯は大事だ」
英雄も梅干しのお握りを食べている、そうしつつ言うのだった。
「ただ食うだけでなくな」
「何時何を食べるかっちゃな」
愛実も言ってきた。
「それっちゃな」
「そうだ、特に飯はな」
「炊くのに時間がかかるっちゃ」
「しかもかさばる」
「そうしたものだからっちゃ」
「考えないとだ」
そのうえでというのだ。
「炊いたりしなくてはならない」
「だからっちゃな」
「朝のうちにな、幸い今は気温も湿度もそれ程ではない」
「お握りも夜までもつっちゃ」
「そのことも考えてだ」
それでというのだ。
「そうしてだ」
「炊いておいたっちゃな」
「そうしてだ」
愛実にさらに話した。
「今も食っている」
「そうっちゃな」
「飯は食える時に食うべきでな」
「そして作られる時にっちゃな」
「作るべきだ、飯やパンは特にな」
こうした主食はというのだ。
「欠かせないだけにな」
「パンも焼かねばならないですからね」
良太はパンと聞いてこう言った。
「この浮島でもあるにはありますし」
「西の浮島から伝わってな」
「ですが主流ではないです」
「おやつの様なものだな」
「異国から来た」
「この浮島ではやはり主食は米だ」
「それに尽きます」
こう英雄に話した、自身もお握りを食べつつ。
「そしてお米を食べるなら」
「やはり炊かないといけない」
「問題は運び方と」
「何時炊くかだ」
「今回は追いながらもしかと後ろに米を用意しておいていました」
「俺達は常にそうしているがな」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「やはりお米を用意しておいて」
「そして朝にな」
「日の出前に炊いて」
そしてというのだ。
「お昼や夜も炊いて」
「そうしてお握りにしておいた」
「それがよかったです」
「俺もそう思う、だから今もだ」
この夜もというのだ。
「こうして食える」
「有り難いことに」
「やはり食わないとどうにもならない」
英雄はこの持論をまた出した。
「そう考えてだ、だが」
「だが、とは」
「いや、そこまで考えられる様になったのは」
それは何故かとだ、英雄は新しい握り飯を食べつつ良太に話した。勿論このお握りの中にも梅干しが入っている。おかずに味噌と漬けものもあるがこの二つの全将兵に持たせてそのうえで食わせている。
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